研究実績の概要 |
調査はNICU(新生児集中治療室)から退院する乳児の親を対象にした、退院前1週、退院後1週と1か月の3時点における縦断的質問紙調査で、Weiss(2008)が開発した小児病棟から退院する子どもの親の退院準備性尺度(Readiness for Hospital Discharge Scale-Parent Form:RHDS-PF)と、Kenner(1994)が開発し、Boykova(2018)が改訂した、早産児の親用在宅移行尺度(Transition-to-Home:Premature Parent Scale)の日本での標準化を目的としている。 2018~2019年度に日本の3地域にあるNICUの協力を得てデータ収集と2つの尺度の信頼性および妥当性の分析が完了し、2019年の国際新生児看護学会(Council of International Nursing, Aucland,NZ)において、Transition-to-Homeの日本語版について報告した。引き続き、NICUを退院した乳児の退院後1年以内の予定外受診、再入院を各施設の小児外来においてデータ収集し、退院前の日本語版RHDS-PFの得点および日本語版Transition-to-Homeとの関係を再分析することでカットオフ値を算出し、尺度の実用化のための使用解説書やWEB入力フォームを作成する計画であった。 しかし、2020年春以降、新型コロナウイルス感染症拡大のため臨床現場との往来が制限され、研究が中断し、再開できないまま研究期間が終了となった。なお、2018-2019年度調査により明らかとなった、JRHDS-PFの信頼性と妥当性について英語圏の雑誌への投稿を目的に準備中である。作成した日本語版の質問紙は原版開発者のWeiss博士が所属大学のウェブサイトで運営する以下のリンクから公開中である。https://www.marquette.edu/nursing/readiness-hospital-discharge-scale.php
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