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2019 年度 実施状況報告書

生殖補助医療後に双胎妊娠した女性の母性を育む助産ケアプログラムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 18K17576
研究機関和洋女子大学

研究代表者

藤井 美穂子  和洋女子大学, 看護学部, 准教授 (70520774)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード生殖補助医療 / 双胎妊娠 / 双子 / 双生児 / 母性 / 助産ケア
研究実績の概要

研究では、生殖補助医療後に双胎妊娠した女性の「母性を育む助産ケアプログラム」の開発を試みている。2019年度は、高い助産実践能力を有し、自律した助産実践を行うことができる中堅助産師を対象として、生殖補助医療後に双胎妊娠した女性に対する認識と助産ケアの姿勢についてインタビュー調査を実施した。
助産師は、生殖補助医療後に双子の母親となる女性の特徴として、妊娠生活を楽しめていないことや高齢妊娠による身体的な負担が強く、出産後も体力の回復に時間がかかること、子どもと母親の間に距離を感じることなどを感覚的にキャッチして継続的な支援の必要性があると認識していた。しかし、助産ケアに関しては、生殖補助医療という妊娠前の情報の活用方法が分からないことで、自然妊娠した女性と同様の日常的な産褥ケアを提供していた。また、助産師は、生殖補助医療後の女性に対するケアの姿勢を振り返り、母性を育むための継続的な支援はできていないと認識していた。
つまり、助産師は、生殖補助医療後に双胎妊娠した女性が自然妊娠により双胎妊娠した女性と異なり母性を育むための支援が必要性であるという認識を感覚的に得ていた。しかし、母性を育む支援について、自然妊娠した女性と生殖補助医療を受けた女性の相違点に関する根拠が分からないことで生殖補助医療の情報を活用できず、母性を育むケアの実践には至っていない現状の課題が明らかとなった。
次年度は、2018年度に実施した生殖補助医療後に双胎妊娠した女性の期待するケアと本年度に明らかとなった知見を融合して「母性を育む助産ケアプログラム」の素案を作成していく予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2018年度及び2019年度の研究成果を国際学会で発表する予定で準備を行ってきた。しかし、昨年は発表予定であった学会の開催都市事情や感染パンデミックなどの理由による学会延期が重なり、研究の成果発表が滞り公表の遅れが生じた。

今後の研究の推進方策

2018年度及び2019年度の研究成果を口頭にて報告後に、看護系学会誌にて論文を発表する予定である。
また、2019年度取り組んだ研究では、助産師が生殖補助医療の情報を活用できるような教育プログラムを作成する必要性を示唆した。生殖補助医療の情報を活用するためには、生殖補助医療の体験が双子の母性性に与える影響を理解する必要がある。この課題は、2018年度に取り組んだ生殖補助医療後に双胎妊娠した女性の期待するケアと2019年の研究成果を照合させることで、生殖補助医療後に双子の母親となる女性の母性性の理解につながり達成が可能と考える。2020年度は、これまでの研究成果を融合して助産ケアプログラムの作成に取り掛かる。

次年度使用額が生じた理由

2019年に実施予定であった国際学会にて、2018年度の研究成果を発表予定で交通費や参加費などを計上していた。しかし、開催都市(香港)の事情により2020年に延期となるなど、国際学会で研究成果を発表するための経費を使用することができずに次年度に繰り越すこととした。
2020年度の研究費の主な使途は、文献の購入及び研究成果を関連学会で発表する際に発生する経費である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 双子を出産した女性の母子健康手帳に対する認識2020

    • 著者名/発表者名
      藤井美穂子
    • 雑誌名

      日本赤十字看護学会誌

      巻: 20 ページ: 52-60

    • 査読あり
  • [学会発表] 双子家庭を対象とした妊娠期から地域とつながる出産準備教室2020

    • 著者名/発表者名
      藤井美穂子・石田弘子
    • 学会等名
      日本双生児研究学会第34回学術講演会
  • [学会発表] 地域子育て支援センターと大学が共同して提供する子育て支援の実態調査2020

    • 著者名/発表者名
      藤井美穂子・石田弘子
    • 学会等名
      日本助産学会第34回学術集会

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公開日: 2021-01-27  

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