生殖補助医療を行った女性の心理は複雑で、特に双子は虐待のハイリスクであり支援の必要性が高く、生殖補助医療後の双胎妊娠した女性に特化した支援が必要である。本研究では、生殖補助医療後に双胎妊娠した女性が母性を育むための助産ケアプログラムの開発を試みた。2018年度には、生殖補助医療後に双子の母親となった女性が助産師に期待するケアを明らかにした。2019年度は、生殖補助医療後に双胎妊娠した女性に特化した助産ケアや助産師の認識を明らかにした。2020年度にはこれまので研究結果から全体分析を行った。更に2021年には、これまでの研究成果を踏まえ、先行研究を質的に統合して再分析を行った。 国内外の関連文献をPubMed、CINAHL、医学中央雑誌Web を用いて、「assisted reproductive technology」「twins」「women/mothers」「Midwifery」をキーワードとして2000年1月から2021年5月までに登録された24論文より、ART後に双胎妊娠した女性に対するケアの記載がある4論文を選定して、研究成果を照合により、ART後に双胎妊娠した女性の特徴や必要なケアについて解釈した結果を統合して、ART後に双胎妊娠した女性の助産ケアの課題を抽出して助産師教育プログラムを考案した。具体的なプログラムの枠組みは①ART後に双胎妊娠した女性の体験を理解したケアの提供②ART体験の意味づけを助ける支援③妊娠期から母親となる意識を高める支援④出産直後の母親となった実感を助けるケア⑤不妊治療期から育児期に関わる専門職の連携や協働であった。
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