研究課題/領域番号 |
18K17588
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研究機関 | 四国大学 |
研究代表者 |
金山 三惠子 四国大学, 看護学部, 准教授 (60757912)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 多職種協働 / 医療的ケア児 / バーンアウト / 特別支援学校 |
研究実績の概要 |
日本地域看護学会第23回学術集会及び日本看護科学会第40回学術集会で研究成果を発表した。オンラインによる発表になったためか質問や助言はなかった。 協働の成否に影響を与える要因のデータ解析では,看護師配置人数が1人の時に比べ看護師配置人数が2人以上になると看護師の協働達成感得点は低くなるが,教員や養護教諭の協働達成感得点は高くなるということがこれまでの研究で分かっていたため,看護師配置人数が1人と看護師配置人数が複数人になる場合とで,どうしてこのような違いがみられるのかについてデータ収集行った。看護師が複数人配置になると,看護師間で経験年数・勤務年数・勤務時間の違いなどから,看護師間での人間関係の難しさが生じることが協働を困難にさせる要因の一つであることを示すデータが得られた。また,同じ看護師同士であっても医療的ケア児の支援について意見が異なる場合があり,そのような場合に協働が困難になることを示すデータが得られた。看護師が複数人配置になると教員や養護教諭の協働達成感が高くなることについては,看護師が複数人配置されていると,タイムリーに連絡や相談ができること,複数人の看護師を知ることで医療や看護の専門性や役割などが分かり易くなることが協働を促進させる要因の一つとなることを示すデータが得られた。これらの知見から多職種の協働の成否には同職種の協働の成否が影響している可能性があること,協働の成否にはタイミング(必要時に即時に対応できること)が影響する可能性があることが分かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウィルス感染症の影響でデータ収集が進まなかった。オンラインでのインタビュー調査を試したが,本研究課題である協働の成否についての核心的な部分を聞き取ることが難しかったため,研究が遅れていると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
看護師配置人数が1人の時に比べ看護師配置人数が2人以上になると看護師の協働達成感得点が低くなるのはどうしてかについて追加データ収集を行った。その結果,看護師が複数人配置になると,経験年数・勤務年数・勤務時間の違いなどから看護師同士の人間関係が難しくなる場合があり,これが協働を困難にさせる要因の一つとなるというデータが得られた。また,同じ看護師同士であっても医療的ケア児の支援について意見が異なる場合があり,そのような場合に協働が難しいと感じるとことを示すデータが得られた。看護師配置人数が1人の時よりも,看護師配置人数が複数人以上の方が教員や養護教諭は協働が促進されるのはどうしてかについて追加データ収集を行った。その結果,看護師配置人数が複数人の方が,連絡や相談をしたい時にタイムリーに連絡や相談ができることで教員や養護教諭は協働がしやすくなると感じるというデータが得られた。これらから,多職種の協働の成否には同職種の協働の成否が影響している可能性があること,協働の成否にはタイミング(必要時に即時に対応できること)が影響する可能性があることが分かった。しかし,新型コロナウィルス感染症の影響でインタビュー調査が予定通りに実施できていないため,これらの知見の移転性や信憑性は十分ではない。そこでさらに追加データの収集を行い検証する必要があるため今後もデータ収集を継続する。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由は新型コロナウィルス感染症の影響で,データ収集ができなかったことや海外での学会発表を中止したためである。海外での学会発表は困難であるため,国内の学会発表に積極的に参加するための学会参加費や,データ収集のための出張旅費として繰り越した研究費を使用する計画である。
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