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2018 年度 実施状況報告書

農村部のネパール人妊婦と乳児のための栄養改善プログラムの実証的評価

研究課題

研究課題/領域番号 18K17592
研究機関関西医科大学

研究代表者

酒井 ひろ子  関西医科大学, 看護学部, 教授 (90434927)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2020-03-31
キーワードネパール女性 / 妊婦貧血 / リテラシー / 健康格差 / 健康教育
研究実績の概要

発展途上国の妊婦貧血と栄養状態に対する研究の多くの先行研究は横断研究であり、国の施策として妊婦全体に対して鉄強化食品の配布や、貧血の有無を確認しないまま大規模集団に対象妊婦へ配布されているため、コントロール群と比較した介入評価が困難であり、補助食品や鉄剤配布は、個人の努力に頼らず実施できる簡易な手段であり、ネパールの妊婦貧血率が約20年横ばいで改善が見られていない現状から有用な手段としては十分な評価としては値しない。
妊娠貧血の改善を目指した教育効果の報告は少なく、識字率が低く、社会経済的不利な立場にある、セルフケア能力やヘルスリテラシーが低いネパール人妊婦を対象にした貧血改善を目指す教育プログラムにおいては、教育内容、介入方法に創意工夫が必要である。さらに、妊婦の貧血は、社会経済的地位、妊娠時の年齢、民族、出産回数など様々なリスク因子が関連していると考えられるものの、先行研究では、交絡因子の補正がなされていないため、結果の解釈に限界がある。
本研究の目的は、ネパール人妊婦の貧血を改善することを目指して、下記2点を明らかにすることである。
1. ネパール人妊婦の貧血に関連する潜在的リスク要因を明らかにする。
2. ネパール人妊婦の貧血を改善することを目指す文字を使用しない絵とノモグラムを使用した健康教育プログラムの効果を検証する。
過去10年間で、ネパールは医療提供の多くの面で実質的な進歩を遂げたが、ネパールの周産期死亡率は未だ高く母子保健の現状は、周産期ケアの質、社会経済的水準、コミュニティの発展、リプロダクティブヘルスの特徴を反映しており、妊婦貧血の改善に向けた取り組みは重要である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究の遂行のため現地調整を重ね、申請者の所属する倫理審査委員会を経て、ネパール国内の倫理委員会Nepal Health Research Council (NHRC)の承認待ちである。

今後の研究の推進方策

平成31年度は、目的1の調査を実施する。
目的1概要:貧血ならびに低栄養の有無を独立変数としロジスティック回帰分析によりリスクを評価。交絡因子として、年齢、出産回数、出産間隔、BMI、人種、経済、学歴、識字、カースト、労働負荷、就労条件、地域、果物・野菜摂取、喫煙、副流煙曝露、ヘルスリテラシー、抑うつ重症度を含むモデルを使用した調整で相対リスクを算出し、ネパール妊婦の貧血発症に複雑に関連する要因を明らかにする。

次年度使用額が生じた理由

申請者はJICA草の根事業においてネパールへ定期的に渡航しており、本研究の事前調整のための渡航時期が重複したため交通費において次年度使用額が生じた。

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公開日: 2019-12-27  

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