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2019 年度 実施状況報告書

専門職の知識と市民の価値を統合する死生観教育モデルの開発

研究課題

研究課題/領域番号 18K17599
研究機関千葉大学

研究代表者

高橋 在也  千葉大学, 大学院医学研究院, 特任研究員 (30758131)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード対話 / アドバンスケアプランニング / 成人学習 / 死生観 / 生きがい / エンドオブライフケア / 市民教育
研究実績の概要

2019年度の研究実績の概要は以下のとおりである。
【総説】(1)支援と自己表現の交差点としてのACP(高橋在也)『看護展望』2019年9月号(27-30頁)2019年

【学会一般発表】(2)Development of Educational Program for Mixed Groups of Citizens and Healthcare Providers to Facilitate Readiness Toward Advance Care Planning Nagae H., Takahashi Z., Sakai S., Harasawa N., Kawahara M. et al.Europe Association for Palliative Care World congress, Berlin, 2019.(3)市民と専門職で協働する日本型対話促進ACP介入モデルプログラム:インタビューによるプログラム評価 岩﨑孝子、加藤裕規、高橋在也、坂井志麻、原沢のぞみ、川原美紀、田村恵子、長江弘子 日本エンドオブライフケア学会、2019年(4)医療における対話の概念(成人学習理論の検討及び生きがいの視点から)高橋在也 生命倫理学会、2019年12月

業績(2)・(3)は分担研究者として参加している地域介入型のアクションリサーチ研究において、主に成人学習理論を中心とした介入の基礎的理論部分を分担執筆した。なお、この箇所は、2018年度の本研究の成果を応用した者である。成人学習理論における対話の概念の整理を行い、生きがいの概念との連関から発表したのが業績(4)であり、それを一般向け総説としたのが業績(1)である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初の予定では、哲学における対話理論の整理も予定に入れていたが、作業の射程が大きく部分的にしか進められていない。一方、成人教育理論における対話理論については、大まかには整理作業と、ACPを中心とするヘルスケア領域との関連性についても、端緒的な成果を業績として出しつつある。
分担研究者として参加している地域介入型のACP促進プログラムにおいて、本科研の端緒的成果を応用しているが、本科県の元々の焦点であった「死生観」を重視したプログラム開発には、まだ着手できていない。
一方、神谷美恵子を嚆矢とする「生きがい」の概念が、国際的な健康概念の分野で注目されており、本科県における「死生観」を重視したACPないしは学習理論にも関わって、大きく注目される。「生きがい」概念には、尊厳の概念も非常に関わっており、とりわけ、認知症など、一般的にコミュニケーション能力が乏しくなっているとされている人における、「対話」ないしはACPをどう考えるかの問題圏に関わる。しかし、これらについては、端緒的な成果は業績(4)で発表したが、論文化をするに当たって、なお基礎的な調査研究が必要とされる。
総じて、ACPには、「生きがい」や「人生」といった要素の尊重が大きく関わっており、ここを捨象した「合理的」なACPの議論は一面的なものになる恐れがある。医療の場における意思表明の困難さが課題となる背景を抑えつつ、ACPにおけるエッセンシャルな要素や手続きとして、成人学習理論や生きがいの概念を援用したモデルの構築が必要と、現時点では考えるいる。

今後の研究の推進方策

本年度の推進方策としては、以下を計画している。

a: 生きがい概念と成人教育理論の整理と、ヘルスケア領域のイシュー(とりわけACP)における対話の意義の明確化 b: 可能であれば海外関連学会における、成果の発表と議論 c: 業績(4)(口頭発表)の成果の論文化 d: ACPにおける、対話の側面から重視すべきTIPSのような、ブリーフモデルの作成を本科研のゴールとしたい。

作業スケジュールとしては、以下のように計画する。aの作業を9月までに取りまとめる。bについては、当初5月のヨーロッパ緩和ケア学会にて発表予定であったが、学会の開催が中止となったので、10月のアメリカ生命倫理学会等での発表を検討する。cについては、10-12月に取りまとめる。(『生命倫理』への投稿を検討している)dを1-3月に取りまとめる。

次年度使用額が生じた理由

研究計画の変更により、もともと予定していた小規模コミュニティ(公民館等)への介入研究の予定が再検討となり、次年度使用額が生じた。一方で、第1年度・第2年度共に、海外での研究発表に関わる旅費が発生しておりその分については予定通りの予算消化となる。第3年度も、海外での研究発表を予定しており、海外誌への投稿も検討にしている。それらの経費、および従前通り文献・図書費、PC周辺機器の購入を計画している。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] 支援と自己表現の交差点としてのACP2019

    • 著者名/発表者名
      高橋在也
    • 雑誌名

      看護展望

      巻: vol.44 no.11 ページ: 27-30

  • [学会発表] Development of Educational Program for Mixed Groups of Citizens and Healthcare Providers to Facilitate Readiness Toward Advance Care Planning2019

    • 著者名/発表者名
      Nagae H., Takahashi Z., Sakai S., Harasawa N., Kawahara M. et al.
    • 学会等名
      Europe Association for Palliative Care World congress
    • 国際学会
  • [学会発表] 市民と専門職で協働する日本型対話促進ACP介入モデルプログラム:インタビューによるプログラム評価2019

    • 著者名/発表者名
      岩﨑孝子、加藤裕規、高橋在也、坂井志麻、原沢のぞみ、川原美紀、田村恵子、長江弘子
    • 学会等名
      日本エンドオブライフケア学会
  • [学会発表] 医療における対話の概念(成人学習理論の検討及び生きがいの視点から)2019

    • 著者名/発表者名
      高橋在也
    • 学会等名
      生命倫理学会

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公開日: 2021-01-27  

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