研究実績の概要 |
2019年8月に台北医学大学倫理審査の承認を得たのち、台北医学大学において共同研究者らとともに家族介護者の睡眠データの測定方法などを打ち合わせ、2020年3月より日本、7月から台湾において地域在住の要介護高齢者とその家族介護者への調査を開始していた。当初、台湾におけるデータ収集を2019年11月から2020年3月までに予定していたが、COVID-19による影響で実施することが困難となり、2020年度に安全に配慮できることが分かり次第、調査を実施した。最終的には2021年度までに日本と台湾において149組のデータ収集が完了した。またインドネシア大学も本研究に参加しており、質問項目の打ち合わせを行い、インドネシア大学において倫理審査の承認を得たのちジャカルタにおいて126組(要介護者と家族介護者)のデータ収集を終了していた。その結果を2021年度に各国の研究者間でデータセットを共有し分析結果を確認した。本研究における国際比較では、要介護高齢者において睡眠と抑うつとの有意な関連が認められ、日本やインドネシアよりも台湾においてその関連が認められる傾向が確認された。2021年度には家族介護者におけるデータを更に分析し、国際学会における発表および学術雑誌への報告を予定したが、最終的な国際比較の成果発信は2022年度となる。なお、国際比較をする上での日本のベースラインデータは、家族介護者の介護負担感への関連因子についての横断研究と縦断研究の結果を2本の論文にまとめており、そのうち1本は2021年度に最終の論文データチェックの手続きを行った(Ryuno H, et al. Psychogeriatrics 2020, Ryuno H, et al. Journal of Geriatric Psychiatry and Neurology 2020)。
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