在宅重症心身障害児における愛着形成に焦点をあてた支援モデルの構築は、半構成的面接を実施し、質的帰納的分析より69 項目を抽出し尺度原案を作成した。支援モデルの内容妥当性および表面妥当性は、重症心身障害児と家族の愛着形成支援に詳しい専門家14名(訪問看護師、医師、小児看護、在宅看護、地域看護領域の大学教員)を対象に無記名自記式質問紙調査を実施した。内容妥当性指数(I-CVI)を算出し69項目からI-CVIが0.8未満の3項目を除外し、意味内容の類似する22項目計25項目を除外した44項目を尺度原案修正案とした。尺度の信頼性・妥当性の検討は、全国の訪問看護ステーション名簿で小児対応可能事業所1581か所の在宅小児訪問看護を3か月以内に経験している看護師を対象に無記名web質問紙調査を行った。結果、1回目の回答は222名、再テストは88名であった。訪問看護師の年齢45.6±9.1歳、看護師経験年数20.8±9.5年、訪問看護師経験年数9.1±7.1年であった。探索的因子分析で11項目2下位尺度が抽出された。2下位尺度は「家族アセスメント」「愛着支援」と命名した(累積寄与率55.9%)。信頼性の検討の結果、本尺度のCronbach’s α係数は、0.9であった。ICCは、0.8~0.9であった。妥当性の検討の結果、本尺度の各下位尺度は、外部基準下位尺度と有意な相関を認めた。確認的因子分析により、愛着形成支援尺度2因子11項目の仮説モデルの適合度指標は、GFI=0.907、RMSEA=0.092が確認された。本研究で開発した愛着形成支援尺度11項目2下位尺度は、内的一貫性と安定性、基準関連妥当性と構成概念妥当性の結果から、一定の信頼性、妥当性を備えた尺度であることを確認した。今後は、尺度の項目が支援モデルとしての実践可能性を検証する必要が考えられる。
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