研究課題/領域番号 |
18K17611
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研究機関 | 山口県立大学 |
研究代表者 |
佐々木 満智子 山口県立大学, 看護栄養学部, 助教 (10735690)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 介護支援専門員 / 服薬支援 / コンピテンシー |
研究実績の概要 |
本研究は、これから地域ケアシステムの構築に向けて、役割や多職種との連携がより一層重要となる、介護支援専門員のケアマネジメント能力に注目し、特に要介護者の生活を維持するため介護支援専門員が行っている服薬支援の実態を明らかにし、コンピテンシーに必要な要素を抽出し、介護支援専門員の服薬支援コンピテンシーを明らかにすることを目的としている。 今年度は、平成29年~30年度に基礎資格が異なる介護支援専門員9名を対象に行ったインタビュー調査を分析し、介護支援専門員が実際に行っている服薬支援やその特徴を明らかにした。 その結果、介護支援専門員が行っていた服薬支援には、【利用者本人や家族、他職種から内服の情報収集】を行い、残薬確認、お薬手帳の確認、服薬作業能力の確認など服薬状況の情報取集を行っていた。また、介護支援専門員は【疾患や薬について調べる】ことをしていた。そして、普段の生活の様子や認知症症状の進行状況を利用者や他職種から【利用者の生活全体を把握】していた。また、普段の様子の異変があれば、【他職種へ相談・依頼】や【情報提供する人に呼びかける】ことで、相談や情報収集を行っていた。また【今後起こりうる可能性や危険性を予測】し、緊急性の判断をしながら観察を続け、その間に利用者や家族が納得できるように支援していた。そして、介護者の協力を得ながら、経済状況に応じたサービス提案を考えるなど【利用者の生活全体の支援を考える】ことも行っていることが明らかになった。 基礎資格が医療系か福祉系により、介護支援専門員が行っている服薬行動には「アセスメントしながら行動しているかどうか」で特徴がみられた。医療系の介護支援専門員は、これまでの基礎資格での経験のもと、疾患や症状について知識をもち、【今後起こりうる可能性や危険性を予測】しながら支援していた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の予定では、服薬支援の事例を収集し、実際に介護支援専門員が服薬支援を行っている支援内容を明らかにするため10名に対してインタビュー調査予定だったが、現在、これまでにインタビュー調査した9名の分析を行っている段階で、インタビュー調査に至っていない。今後は介護支援専門員の基礎資格別で大半を占める福祉系(介護職)のインタビュー調査が必要となる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、介護支援専門員の基礎資格別で大半を占める福祉系(介護職)の服薬支援の事例収集(インタビュー調査)を行い、平成29年~30年度に基礎資格が異なる介護支援専門員を対象に行ったインタビュー調査と合わせて分析し、をまとめる。 そして、文献レビューを行い介護支援専門員の服薬支援に必要な項目等をまとめ一覧表を作成する。文献レビューとインタビュー調査結果より明らかにした介護支援専門員が実際に行っている服薬支援やその特徴より、コンピテンシディクショナリを作成する。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の予定では、服薬支援の事例を収集し、実際に介護支援専門員が服薬支援を行っている支援内容を明らかにするため10名に対してインタビュー調査予定だったが、現在、これ そのため、インタビュー実施者への謝金を使用していない。また、インタビュー内容の書き起こすための謝金も使用していないため、次年度の使用額が生じた。 介護支援専門員の服薬支援の事例を収集し、実際に介護支援専門員が服薬支援を行っている支援内容を明らかにするため、インタビュー調査を行う。そして文献レビューとインタビュー調査結果より明らかにした介護支援専門員が実際に行っている服薬支援やその特徴より、コンピテンシディクショナリを作成する。今後実施予定のインタビュー調査での、調査協力謝金、データ整理謝金、ディクショナリー作成時のアドバイス謝金等に用いる。
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