研究課題/領域番号 |
18K17612
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研究機関 | 大分県立看護科学大学 |
研究代表者 |
佐藤 愛 大分県立看護科学大学, 看護学部, 助教 (20634108)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | オーラルフレイル / 要介護未認定高齢者 / 食品摂取の多様性 / 実態調査 |
研究実績の概要 |
本研究では高齢者の肺炎予防に向けて、オーラルフレイルの概念に着目し、咀嚼機能・嚥下機能・咳嗽機能の維持向上に効果的な予防的介入を展開し、評価することを目的としている。令和元年度は、平成30年度にリクルートした対象者に調査を実施し、要介護未認定高齢者のオーラルフレイルの実態を明らかにすることを目的とした。 1.要介護未認定高齢者の食品摂取の多様性に関する実態調査 地域在住の要介護未認定高齢者72名を対象に、食品摂取の多様性の実態を調査した。熊谷らが開発した食品摂取の多様性評価表を用い、0~10点の食品摂取の多様性得点を算出した。①食品摂取の多様性得点の平均点は3.7点であった。②食品摂取の多様性が低いとされる3点以下の者は30名(36.6%)であった。③食品群別にみると、肉類や魚類などの咀嚼回数が多い食品群は毎日摂取する者が少なく、大豆製品や牛乳などの柔らかく咀嚼回数が少ない食品群は毎日摂取する者が多かった。以上のことから、要介護未認定の高齢者においても咀嚼能力の低下により、食べられない食品が増加している可能性があることが明らかとなった。 2.要介護未認定高齢者におけるオーラルフレイル実態調査 ①調査項目はオーラルディアドコキネシス、口唇閉鎖力、反復唾液嚥下テスト、クエン酸誘発咳嗽反射テスト、キシリトールガム咀嚼判定の5項目とした。②各種測定に必要な測定機器や消耗品を購入し、測定マニュアル及びプロトコルを作成した。③健常成人女性7名を対象にプレテストを実施し、高齢者に対しても安全に測定ができることを確認した。④高齢者サロンに参加する要介護未認定高齢者70名を対象に調査を実施する予定で、3カ所のサロン代表者に承諾を得ていたが、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、調査を延期した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
令和2年1月以降の新型コロナウイルス感染拡大を受け、感染すると重症化しやすい高齢者が対象であることと、測定項目が飛沫を生じやすい内容であることから、調査を延期することになり、データ収集に至っていないため。
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今後の研究の推進方策 |
令和2年度は、新型コロナウイルスの感染状況や社会情勢を見ながら、データ収集を行う予定である。しかし、対面によるデータ収集が困難になることも予想されるため、平成30年度に特定健診の標準的な質問票に追加された咀嚼能力に関する質問項目に着目し、O市26,000人の健診データ分析からオーラルフレイルの実態調査を進めることとする。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究対象者への謝金及び調査員の人件費、調査時の旅費を計上していたが、調査が実施できなかったため、次年度に調査を実施した場合、使用する予定である。
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