研究課題/領域番号 |
18K17612
|
研究機関 | 大分県立看護科学大学 |
研究代表者 |
佐藤 愛 大分県立看護科学大学, 看護学部, 助教 (20634108)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | オーラルフレイル / セルフチェック / フレイル予防教室参加者 |
研究実績の概要 |
1.フレイル予防教室参加者のオーラルフレイル自覚度合の実態調査 2021年5~8月に、O市のフレイル予防教室に参加した女性150名について、オーラルフレイル自覚度合のデータ分析を行った。オーラルフレイルの評価には、日本歯科医師会より発表されたセルフチェック表を用いた。セルフチェック表は、①主観的咀嚼力低下、②誤嚥、③義歯装着、④口渇、⑤外出頻度減少、⑥硬い食品の咀嚼困難感、⑦1日2回以上の歯磨き習慣、⑧年1回の歯科受診の8項目について、2件法により回答を得た。各項目を点数化し、合計得点0-2点の者をオーラルフレイルの危険性低い群(以下、低い群)、3点を危険性あり群(以下、あり群)、4点以上を危険性高い群(以下、高い群)と判定した。 セルフチェック表の合計点の平均点は3.01±1.91点であった。オーラルフレイルの該当割合は、低い群57人(38.0%)、あり群42人(28.0%)、高い群51人(34.0%)であった。これらの結果より、健康意識が高いとされるフレイル予防教室参加者の中にも、口腔機能を実測した先行研究と同様、オーラルフレイルの危険性を有する者が約6割いることが明らかとなった。オーラルフレイル予防のためには、自立した高齢者が多く集まる通いの場等でセルフチェック表を用いたスクリーニングを行い、自覚を促す支援が有用であると考えられた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍であるため、計画を一部変更している。対面による口腔機能実測はせず、データ分析に方法を変更し、研究を遂行している。そのため、対象者や評価指標が限定的になっている。また、口腔・嚥下・咳嗽機能向上に向けた介入は、Covid-19の感染拡大防止の観点から実施できていないため、遅れているとした。
|
今後の研究の推進方策 |
2021年度は健康意識が高いとされるフレイル予防教室参加者の中にも、口腔機能を実測した先行研究と同様、オーラルフレイルの危険性を有する者が約6割いることを明らかにした。そこで2022年度は、サロン活動等の通いの場に参加をしていない高齢者のオーラルフレイル自覚度合いを明らかにすることで、オーラルフレイルの実態調査を進める。
|
次年度使用額が生じた理由 |
対面調査を実施せずデータ分析を実施したため、旅費や人件費に余剰が生じた。次年度、質問紙調査を実施する際の物品費等に使用する予定である。
|