研究課題/領域番号 |
18K17619
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研究機関 | 国際医療福祉大学 |
研究代表者 |
川村 崇郎 国際医療福祉大学, 成田看護学部, 講師 (50782611)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 低血糖 / 糖尿病 / 高齢者 / 体験 / テーマ分析 |
研究実績の概要 |
2018年度~2019年度は、当初の研究計画に沿って15名からのデータ収集を目指し、インタビュー調査と分析を繰り返した。初期の段階では、抽象度の低い複数のテーマやサブテーマが抽出されていたが、インタビューと分析を重ねるごとに概念の抽象度も段階的に高くなった。13名の研究参加者のインタビューデータを分析した時点で新たな概念の抽出が見られなくなり、データ収集を終了した。分析では、コードやデータの均一性を考慮してサブテーマ、テーマを洗練させ、命名や定義づけを検討した。このようにして得られた研究結果をもとに考察を深め、論文作成と学会誌への投稿、学会発表を完了した。 2019年度までで、当初の研究計画としては概ね研究目的の達成に至ったと判断できた。しかし、本研究で得られた特徴的な概念《自己肯定感を伴う低血糖のコントロール》は、これまでの糖尿病看護においては極めて新規性が高いと考えられ、先行研究と比較しても飛躍したものではないか、糖尿病や低血糖の自己管理とどのように関連するのか考察することで、より精緻に本研究の目的を達成できると考えた。そこで、2020年度は改めて追加の文献検討や学会参加を行う予定としていた。しかし、コロナウイルス感染症の影響により、学会参加の機会は限られることとなった。また、同様にコロナウイルス感染症の影響で、所属機関における看護教育の方法の見直し等が余儀なくされ、研究活動に割り当てられる時間が制限される結果となった。したがって、十分な考察の実施には至らなかったと考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2019年度が終了した時点で研究結果を論文化して投稿し、学術集会においての発表にも至ったことで、当初の研究計画としては研究目的の達成に至ったと考えている。 一方で。この研究結果で得られた《自己肯定感を伴う低血糖のコントロール》という概念について考察を深めるという2020年度の目標については、十分に取り組むことができなかった。以上より、当初の研究計画と照らして進捗状況に大きな遅れが発生しているとは考えていないが、より精緻に研究目的を達成するためには、さらなる考察が必要と考えている。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度は、2020年度に十分達成することができなかった《自己肯定感を伴う低血糖のコントロール》という概念に関する考察をより深く行う。具体的には、さらなる文献検討によって、先行研究の結果等も比較、参照しながら、その概念の性質をさらに特定し、糖尿病や低血糖の自己管理とどのように関連するのか検討していく。以上の目的のもと、追加の文献検討や学会参加を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年度は《自己肯定感を伴う低血糖のコントロール》という概念について、先行研究の結果等とも比較しながら類似する概念を探索し、またその概念が糖尿病や低血糖の自己管理とどのように関連するか検討することを予定していた。しかし、コロナウイルス感染症の影響により、十分な考察には至らなかった。そこで次年度は引き続き、積極的に追加の文献検討や学会参加を行って《自己肯定感を伴う低血糖のコントロール》という概念に関する考察を深めることを予定している。
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