研究課題/領域番号 |
18K17627
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研究機関 | 大阪医科薬科大学 |
研究代表者 |
山埜 ふみ恵 大阪医科薬科大学, 看護学部, 助教 (60782266)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 介護予防 / 地域高齢者 / ソーシャルサポート授受 / 地域のつながり |
研究実績の概要 |
本研究の目的は地域のつながり強化に向けた介護予防活動における男性高齢者のバランスのとれたサポート授受を促進するための具体的な要因や支援方法を明らかにすることである。2020年度にKJ法・SCATの研修に参加し、質的分析の手法を学んだ。 2021年度は、上記研修結果を活かし質的データを再分析し、介護予防活動のリーダーが捉える活動内でのサポート授受のきっかけ、工夫に加え、その中でのリーダー役割の捉え方を中心にデータを抽出した。抽出したデータの意味を損なわない文脈で区切り、コード化した。コード化した意味内容の類似性と相違性を比較しながら類型化し、サブカテゴリー化した。さらにサブカテゴリーを内容別に類型化して、抽象度を高め、カテゴリー化した。サブカテゴリー化、カテゴリー化に際しては、コードおよび逐語録に戻り内容を確認し、分類を吟味し再考しながら行った。分析は共同研究者間で結果の合意形成が得られるまで検討を重ね、質的研究の経験のある大学教員からスーパーバイズを受けることで真実性を確保した。インタビュー調査結果から、地域で行う介護予防活動を通して地域のつながりを構築したいという思いが、活動内のサポート授受促進のきっかけとなっていることが明らかとなった。サポート授受促進のために参加者同士の関係性づくりとサポートしやすい環境づくり、活動内で役割をもつことについては活動の状況に合わせて工夫されていた。介護予防活動を通じて、住民同士がサポートしあう地域づくりにつながる可能性が示唆された。分析結果の一部は2022年1月に6th International Conference of Global Network of Public Health Nursing(オンライン開催)にて誌上発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
インタビューデータ分析を活動のリーダーとして捉えた点を踏まえた内容に再検討したため、カテゴリを再分析し論文化が遅れている。2022年度内には、論文投稿予定である。さらに分析結果をもとにアンケート調査を実施する予定であるが、新型コロナウイルス感染症の影響のため、対象となる活動が休止中など、調査票配布が難しい状況である。量的研究の準備が整い次第、実施予定である。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染症の影響で活動自体が中止中であり、量的調査のタイミングや配布方法については、担当の自治体保健師と連携して検討していく。実施までにサポート授受を促進する要因を質的データからあきらかにするとともに、インタビュー調査内容をまとめ、質問紙調査票を完成させる。
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次年度使用額が生じた理由 |
インタビュー調査結果の再分析により論文投稿に時間を要している。また量的調査がコロナ禍のため延期となっているためである。次年度の使用計画として、論文投稿のための英文校正、論文投稿費に使用する。また量的調査が実施できれば、アンケート用紙の印刷費、郵送費、調査謝礼に使用予定である。量的調査依頼のため自治体や担当者との打ち合わせにオンラインを使用予定であり、オンラインに使用するマイクやカメラ等備品を購入予定である。
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