本研究では、高齢化が進展し多死社会を迎える中、最期まで過ごす場の一つとして期待されている長期療養施設における看護ケアの質について、全国規模のデータを用い、以下について明らかにした。1点目に、地域における長期療養施設提供体制の評価として、自宅死亡割合と地域の医療・介護提供体制に関連があることを示した。2点目に、長期療養施設における身体拘束の未実施は、身体拘束廃止に関する取り組みを行っている施設が有意に多い傾向がみられた。3点目に、ビッグデータを用いた試行的取組みとして、高齢者に多い大腿骨骨折症例に焦点を当て、DPCデータを用いた認知症と患者アウトカムの関連を検証した。
|