研究実績の概要 |
2020年以降は質問紙調査および分析を実施. 質問紙は,看護師の自律性尺度「認知能力」「判断能力」「実践能力」各14項目「具体的判断能力」「抽象的判断能力」各7項目「自律的判断能力」5項目の計47項目,ケアを展開する上での人間関係や相互作用の受け止め方についての質問として「スタッフ間の人間関係」「患者との人間関係」「医師との人間関係」「家族との人間関係」「看護管理者との人間関係」「所属感」に関する計26項目, 属性変数として個人特性10項目(年齢・性別・婚姻状況・臨床経験年数等)で構成された.結果は,配布数1,500,回収746(回収率49.7%),欠損値のない回答728(有効回答率97.5%)を分析した. 対象者の属性は,年齢平均49.7歳(SD9.59),婚姻状況は,独身191名, 既婚537名, 看護師経験年数は20年以上が68%(495名)を占め平均24.2年(SD10.8)であった.看護基礎教育は, 看護師養成3年課程が最も多く46.3%(345名), 職位はスタッフが66%(484名)を占め, 雇用形態は90%(662名)が正規職員であった.調査項目の尺度得点を用いて探索的因子分析を行い尺度の妥当性を検証した.各尺度の相関は,仕事上の人間関係, 看護師としての自己実現共に専門職的自律性と強い相関を認めた.各尺度の属性間での平均値の差の検定(有意水準p<0.005)の結果は,専門職的自律性においては、離職期間在りなし, 現職場での就業継続意思ありなしで有意差を認めた. 仕事上の人間関係は属性間での有意差は認められなかった.看護師としての自己実現は,雇用形態で有意差を認め,正規職員が非正規職員よりも高い傾向がみられた.潜在変数化と観測変数を確定し共分散構造分析を行い,専門職的自律性向上モデルを作成した.これらの知見は欧文論文にまとめ,現在投稿中である.
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