研究課題/領域番号 |
18K17643
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研究機関 | 福井県立大学 |
研究代表者 |
佐藤 文 福井県立大学, 看護福祉学部, 准教授 (20778451)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 足爪 / 足趾 / 高齢者 / フットケア |
研究実績の概要 |
高齢者の寝たきり予防のためのフットケアは重要視されている。しかし、自立度が低い高齢者の場合、足爪は変形を起こしやすく、歩行困難な高齢者の爪変形の予防は極めて困難である。また伸びた足爪が寝衣・寝具に引っ掛かり剥離や出血等の損傷を起こす危険がある。足爪ケアは、主に看護・介護職が実施しているが、足爪ケア時の爪損傷やほかの外傷を発生する危険も伴い、ケアは敬遠されがちである。 そこで、日常生活自立度の低い高齢者の足爪の形態的特徴を質的記述的に明らかにし、安全に足爪ケアを提供するために、足爪ケアのアセスメントツールを開発することは意義がある。 平成30年度は、[足趾・足爪・足部の実態調査]と[足爪ケアの参加観察・面接]に着手した。[足趾・足爪・足部の実態調査]について、高齢者施設において足趾・足爪・足部の実態を明らかにするため、対象の観察および撮影した写真から足趾・足爪を質的スケッチ技法にて言語化に取り組んだ。現在、明らかになっているのは、日常生活自立度の低い高齢者では、第1趾の足爪と、第2~4趾の足爪の特徴は異なるということである。これらの点について、皮膚科医にスーパーバイズを受け、質的スケッチ技法の言語化に反映させた。現在のところ明らかになている実態を、学術集会にて報告する予定(2019年5月)である。また、足爪が伸びたまま放置されていることが非常に多く、爪切りをいつ実施したのかも記録がない状況で、施設職員が非常に困っていることがわかった。そのため、足部・足爪の調査だけではなく、調査後に足爪ケアの実施が必要であることがわかった。また、対象の大半が認知症であるため、観察するまでに施設職員の協力を得ながら時間を要することが多いことがわかった。 [足爪ケアの参加観察・面接]については、足爪等の実態調査を優先していたために、参加観察のみで、面接はまだ実施できていない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
初年度は、[足趾・足爪・足部の実態調査]と[足爪ケアの参加観察・面接]をに着手した。[足趾・足爪・足部の実態調査]を実施するにあたり、対象リクルートに時間を要すること、および、質的スケッチ技法による言語化に時間を要するために、対象数を増やせていないことである。 [足爪ケアの参加観察・面接]については、参加観察は可能であるが、施設職員への面接については、日程調整が困難で実施できていない。
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今後の研究の推進方策 |
2019年度は、[足趾・足爪・足部の実態調査]と[足爪ケアの参加観察・面接]の対象者数を増やせるよう、対象施設管理者と日程調整しすすめていく。特に、高齢者の対象をリクルートするために、施設入所時に研究同意が得られるよう調整の予定である。 [足趾・足爪・足部の実態調査]の質的記述についてのスーパーバイズをうけ、足趾・足爪・足部の特徴を自立度別に検討していく。これらの検討結果から、安全に足爪ケアを提供してよい足爪のパターンを見出す。
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次年度使用額が生じた理由 |
参加予定であった学術集会での旅費が、予定よりも安価となったこと、謝金の発生がほぼなかったため。
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