高齢者の寝たきり予防のためのフットケアは重要視されている。しかし、自立度が低い高齢者の場合、足爪は変形を起こしやすく、歩行困難な高齢者の爪変形の予防は極めて困難である。また伸びた足爪が寝衣・寝具に引っ掛かり剥離や出血等の損傷を起こす危険がある。足爪ケアは、主に看護・介護職が実施しているが、足爪ケア時の爪損傷やほかの外傷を発生する危険も伴い、ケアは敬遠されがちである。 そこで、日常生活自立度の低い高齢者の足爪の形態的特徴を質的記述的に明らかにし、安全に足爪ケアを提供するために、足爪ケアのアセスメントツールを開発することは意義がある。 [足趾・足爪・足部の実態調査]について、高齢者施設において足趾・足爪・足部の実態を明らかにするため、対象の観察および撮影した写真から足趾・足爪を質的スケッチ技法にて言語化に取り組んだ。現在、明らかになっているのは、日常生活自立度の低い高齢者では、第1趾の足爪が肥厚が目立つことと、第2~4趾の足爪は、C型に変形や爪の生える方向が上方など特徴が異なること、さらに、足部および足趾の変形と関連があることが推察された。皮膚科医およびフットケアに精通している形成外科医にスーパーバイズを受け、質的スケッチ技法の言語化に反映させた。 [足爪ケアの参加観察・面接]は、参加観察のみであるが、足爪のケアは入浴後に実施されていることが多く、肥厚している爪のケアは敬遠されがちであることがわった。その後、アセスメントツール開発までには至っていない。
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