本研究では、大腿骨近位部骨折を受傷し居宅退院となった高齢者の生活様相を分析し、対象者の特性を捉えたプログラムを開発した。対象となる高齢者は「自由を手に入れる」一方で、「想定外の現実」に直面し、次第に「生活環境の狭小化」状況にあった。そんな中、徐々に「老いと折り合う」ことで、居宅で暮らす自分を客観視するようになっていた。そして、大腿骨近位部骨折術後に居宅退院した高齢者は、「前向きな依存」と「無理のない自律」の二方向で生活の再構築を始めつつあった。また、一度骨折を経験した高齢者は退院後、「脳裏によぎる再骨折」を抱えながら生活していた。 結果をもとに、患者・家族への指導用冊子とDVDを作成した。
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