研究課題/領域番号 |
18K17647
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研究機関 | 大分県立看護科学大学 |
研究代表者 |
山田 貴子 大分県立看護科学大学, 看護学部, 助教 (30645536)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 訪問看護師 / 臨床判断 / 判断 |
研究実績の概要 |
本年度は、訪問看護師の臨床判断を構築する要素について文献研究を行った。医学中央雑誌Web版にて、キーワードを「訪問看護」「臨床判断」「判断」とし、1992年から2020年の原著論文のみを対象とした。その結果、医学中央雑誌Web版は「訪問看護」「臨床判断」で13件、「訪問看護」「判断」で178件が抽出された。抽出された文献から重複文献、特集・資料、総説・会議録、学術集会発表抄録を除外した結果18件となった。18件の文献を読み、臨床判断に関する記載のない文献を除外し15件を対象とした。その結果、40のカテゴリー、86のサブカテゴリー、249のコードが抽出された。訪問看護師の臨床判断を構築する要素は、①臨床判断に用いた情報・手掛かりに関するもの11カテゴリー、②臨床判断に影響を及ぼす要因に関するもの8カテゴリー、③臨床判断の内容に関するもの12カテゴリー、④ケア内容・方法の決定に関するもの9カテゴリーの4つに分類された。情報・手掛かりでは、身体に関する情報、療養者や家族に関する情報、多職種やメディアからの情報、社会資源に関するカテゴリーが明らかになった。臨床判断の内容では、リスクや状態変化の見極め、ケアマネジメント、家族関係やサポート状況などのカテゴリーが明らかになった。ケア内容・方法の決定では、看護提供の場が療養者の生活の場となるため、療養者や家族への苦痛や負担への対処や療養環境の整備などのカテゴリーが明らかになった。訪問看護師の臨床判断には療養者だけではなく家族や療養環境、ケアチームなど様々な側面からの情報を統合して臨床判断を行い、ケア内容・方法の決定につなげていることが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は熟練訪問看護師を対象に準実験研究を実施する予定であったが、コロナの影響にて実施することができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は訪問看護師および看護学生を対象に、準実験研究に着手する。また、研究結果を論文にまとめ、学会発表を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は調査を実施できなかったため、経費をあまり使用しなかった。次年度以降は、調査実施のための経費、解析ソフトを購入予定とする。
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