研究課題/領域番号 |
18K17649
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研究機関 | 共立女子大学 |
研究代表者 |
清水 信輔 共立女子大学, 看護学部, 専任講師 (00709595)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 中小企業 / 若年男性労働者 / 食生活リテラシー / 健康管理 / 産業保健 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、中小企業で働く若年男性労働者の食生活の実態や食生活リテラシーに影響する要因を明らかにし、効果的に食生活リテラシーを高め、食生活を改善していくための健康管理ツールを開発することである。 本年度は、昨年度に引き続き、中小企業で働く35歳未満の男性のインタビューを半構造化面接にて行い、得られたデータを質的帰納的に分析し、中小企業で働く若年男性労働者の食生活リテラシーに影響する要因について示唆を得た。 加えて、この世代における「食生活リテラシー」の概念構造を理解するため、看護学とその関連する学問領域の文献を国内外から収集し、概念分析を行った。データとして、海外文献は「PubMed」「CINAHL」「PsycINFO」「ERIC」「JdreamⅡ」を、国内文献は「医学中央雑誌」「CiNii」「JdreamⅡ」の検索システムを利用し文献検索を行った。なお、対象の年齢区分を「19~44歳」もしくは「young adults」とし、選択区分がない検索システムについては、確認の上、年齢区分にあてはまる文献を選定した。国内文献については過去5年間で、キーワードを「食」または「栄養」AND「リテラシー」AND「成人」として論文を検索した。海外文献については2015~2019年の期間で、キーワードを「food」OR「nutrition」AND「literacy」AND「adult」して検索した。なお、いずれも原則、原著論文であること、選定した文献の表題・抄録を読み、①研究の主要概念が「食生活リテラシー」に関連する概念であること、②研究対象が特定の疾患などの健康リスクを有していないこと、③英語あるいは日本語、④全文が入手可能であるものとした。現在、これらの文献から、この世代における「食生活リテラシー」の概念分析を進め、その枠組みを整理し、公衆衛生看護における有用性について検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2019年度は、プログラム開発に向け、調査協力予定となっている複数企業と打ち合わせを行っていたが、新型コロナウイルス(COVID-19)による影響もあり、その調整等も含め、やや遅れている状況である。また、状況によっては、介入研究の実施が難しい状況にあるため、調査方法についても再度検討し、早急に対応していく必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
今年度実施した中小企業で働く若年男性のインタビューおよび同世代を対象とした「食生活リテラシー」の概念分析から得られた結果をもとに、中小企業で働く若年男性労働者の食生活リテラシー向上にむけた健康管理ツールの検討を進めていく。なお、昨今の状況により、スマートフォン等のアプリケーションを活用した健康管理ツールの開発は難しいため、これまでの結果を踏まえながら、既存の健康管理ツールの調査を行いつつ、対象者に合わせた健康管理ツールの開発に活かしていくためのコンテンツ設計について検討を行っていく。なお、今年度の研究成果は、学会誌への投稿および学会発表を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
年度末に学会出張および研究協力者との打ち合わせを複数予定していたが、今日の状況により、全て参加および実施できなかったこと、また研究の進捗が遅れたことにより、予定していた物品購入に至らなかった。本年度予定していた学会誌への投稿および学会発表を行う経費とする他、次年度必要となる備品の購入、既存の健康管理ツール調査およびコンテンツ設計に関する費用にあてる予定である。
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