研究課題/領域番号 |
18K17653
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
阿部 詠子 順天堂大学, 保健看護学部, 講師 (50315701)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 高齢者施設看護師 / 排尿パターンの分析 / ケアプログラムの開発 |
研究実績の概要 |
本研究のケアプログラムの特徴は、現在エビデンスが確認されている尿失禁と尿道カテーテル・おむつ感染のケアに一貫性をもたせ、系統的することで尿路感染症を予防あるいは改善し減少させることにある。今年度は研究2年目として①データ採取のための予備的実験②協力施設(有料ナーシングホームの居住者と看護師)での対象者の選定③学内倫理審査の承認を目標として活動した。①では1年目の研究と協力施設での入居者の様子や看護師へのヒアリングから24時間の機器装着による尿測で排尿パターンを詳細に調べることを計画した。施設は人員が少なくおむつ交換を定時としており、排尿日誌はルチーンで付けていたが、詳細を把握しきれなかった。機器装着により24時間の膀胱への貯留と排出(排尿)が自動でデータ化・グラフ化され、細やかに把握可能となる。そのデータを以て真の排尿パターンの取得を計画した。泌尿器専門医の意見等もヒアリングし、膀胱上の皮膚に装着し24時間装着を3日間データ採取することを計画した。ただし虚弱高齢者への配慮から、装着は1回最大24時間とし間隔を空けて3回実施することとした。そのための固定する医療用テープの選定、固定方法、施設看護師への依頼と教育などを行った。また、入居者全員を調査対象としていたが認知機能が低下している方に機器の装着は管理が難しいことから対象を長期臥床者、いわゆる寝たきりの方に絞って開始した。準備までに約10ヶ月要したため現在までに3例ほどのデータ採取が完了しているが、対象者に対する安全性の確保はできており、またおむつ内に失禁しているため排尿に問題ないと思われた高齢者が実は常に膀胱に充満し溢れ出る横溢性失禁であり、医師の診察と膀胱カテーテルの留置が必要であったことが判明するなど新たな知見が得られ成果となっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本格的なデータ収集に入った時期にインフルエンザとcovid-19感染症が流行し始め施設看護師が多忙となったため休止している。また自身も訪問を控えている。
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今後の研究の推進方策 |
3年目は最終年としてデータ収集を継続すると共にケアプログラム化することを目標とする予定であるが、感染症の拡大により今後の見通しが立っていない状況である。しかし、施設入居高齢者の安全確保を最優先にしたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究の最終年としてデータ取得のための調査を継続するための交通費および調査用機器のメンテンス、必要物品の補充等にしようするために研究費が必要であり、現対象施設でのデータ取得を終え、まとめた上で、発表する予定である。
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