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2020 年度 実施状況報告書

早発初潮の社会的因果統合モデルの構築:ウィメンズヘルスの提言に向けた日英比較研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K17655
研究機関兵庫県立大学

研究代表者

梅田 麻希  兵庫県立大学, 地域ケア開発研究所, 教授 (40424311)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワードメンタルヘルス / リプロダクティブヘルス / ライフコースアプローチ
研究実績の概要

10歳未満で初潮を迎える早発月経は、虐待や親との離別などの不安定な家族状況、思春期の行動障害や性行為の早期開始、その後の精神疾患のリスクと関連する。早発月経が精神的な健康に影響を与えるメカニズムとして、セルフエスティームの低下や心理的な抑うつ状態などが検討されてきたが、これらの要因の媒介効果は限定的である 。そこで本研究では、女性のリプロダクティブヘルスの「健康の社会的決定要因」とそのメカニズムを日本と英国の大規模調査のデータを用いて検討し、生物学的・社会的 性である女性の健康を推進する方策を、日英比較を通して検証することを目的とした。2019年度は、大規模国際共同研究である第2回世界精神保健調査日本調査のデータを用いて早発初潮と幼少期の社会経済的要因の関連について検討を行った。2020年度は、2019年度に分析した内容について、英国の研究者の助言を得た。その結果、交絡要因となりうる幼少期の要因について考慮する必要があるとの結論に至り、再分析を行った。再分析では、幼少期のネグレクトの経験に関する変数、幼少期の親の精神疾患に関する変数を新たに作成し、分析モデルに投入した。その結果、母親の精神疾患を投入したモデルで、早発初潮と大うつ病発症の関連の強さがやや減弱したものの、早発初潮と大うつ病の発症との有意な関連は維持された。なお、幼少期のネグレクトや父親の精神疾患に関しては、早発初潮との関連は見られなかった。母親の精神疾患に関しては、母親の精神疾患がある群で、早発初潮がやや多い傾向が見られた。これらの結果から、早発初潮と大うつ病の発症との関連は、幼少期から成人期初期にかけての社会的要因とは独立していることが明らかになった。現在は、本結果を反映させた修正稿を作成し、国際誌に投稿する準備をしている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

昨年度の結果を英国の研究者と共有し、洗練することができたが、雑誌への投稿並びに英国データの分析ができていないため。

今後の研究の推進方策

昨年修正した分析の方向性で結果をまとめ、国際誌で公表する。また、日本データで行った解析を英国のEnglish Longitudinal Study of Ageingのデータを用いて実施する。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウィルス感染症パンデミックにより旅費が使用できなかったため。また、論文の公表が遅れており、出版のための費用を支出しなかったため。

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公開日: 2021-12-27  

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