研究課題/領域番号 |
18K17657
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研究機関 | 神戸市看護大学 |
研究代表者 |
内山 孝子 神戸市看護大学, 看護学部, 准教授 (80781624)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 特別養護老人ホーム / 看取り / 学習プログラム / 看護実践 |
研究実績の概要 |
本研究は、特別養護老人ホーム(以下、特養)という生活の場における看取りの実践能力向上のための施設横断型学習プログラムの構築と評価に取り組むアクションリサーチである。2020年から始まった新型コロナ感染症拡大の新型コロナウイルス感染症の位置づけは、2023年5月8日から「新型インフルエンザ等感染症(いわゆる2類相当)」から「5類感染症」となり、感染症対策を取り巻く環境が大きく変化した。これにより、地域の感染動向がつかみにくくなっている。特養は、重症化リスクが高い高齢者が入居していることから、引き続き感染対策の徹底を継続することが求められている。その一方で、入居者の人とのつながりや交流が心身の健康に与える影響という観点から、地域における発生状況等も踏まえ、クラスター防止対策は継続しつつ、可能な限り安全に面会の再開・推進を図ることが求められるようになった。これらを背景に、徐々にではあるが、本アクションである看取りケアについて学び合う会(看取りカフェ)に参加希望が得られるようになり、2024年2月から再開した。 参加者の特養では、看取り期には家族の面会を許可しているが、日常の面会制限は継続されていた。5類移行後もクラスターの発生を経験しており、入所者の安全を守ることが優先せざるを得ない状況が継続していた。数年にわたる面会制限により、ケアの質の低下に危機感があることが語られた。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、病院での面会制限が特養よりも厳しいことから、特養での看取りを希望する家族が増えたことが語られた。人間らしい看取りケアを実践するために、面会制限をどのように緩めていくことができるのかが、看取りケア実践の重要な要素であることは理解しているが、しばらくは現状維持となることが語られた。看取りカフェに参加することで、他組織の実践を知り、自組織で検討してみたいと前向きな発言が聞かれた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルスの感染拡大により、研究参加者を得られず、大幅に研究が遅れていたが、2024年2月から定期開催が可能となった。
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今後の研究の推進方策 |
2023年5月から「5類感染症」に移行された後も、なかなか研究参加者を得ることができなかったが、対面で再開したいと希望があり2024年2月から定期開催が可能となった。新たな研究参加者を得ることが可能となった事から、アクションの実施によりデーター収集と分析を同時に行い、研究を推進する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究対象が特別養護老人ホームに勤務する看護師であり、新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受け、研究遂行が困難を極めたため。
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