研究課題
本年度はこれまで開発した視聴覚刺激を用いたブレイン-マシン・インタフェース(BMI)のオフライン解析を行い,識別器の比較を行った.畳み込みニューラルネットを用いた方法が最良で77.3±13.5%であり,次いでランダムフォレストが76.4±19.6%であった.また,上記BMIのオンライン識別精度を明らかにするため,また刺激提示時間の影響を明らかにするためオンライン識別精度を測定した.その結果,刺激提示時間を1000msとした場合は80.6±22.2%, 250msの場合は86.1±12.5%,100msの時に38.9±25.1%となった(N=6).これよりオンライン識別が可能であること,そして刺激提示時間を250msとしたときのオンライン識別精度が最も高く86.1%になることが分かった.また,本BMIシステムを用いて小型ロボットを制御することに成功した.さらに本年度,新たに視聴覚BMIにおける情動刺激の効果を明らかにするため,笑顔の映像と明るい音声を用いたBMIを作成し,無表情の顔の映像と抑揚のない音声を用いたBMIのオンライン識別精度を比較した.その結果,前者の識別精度は80±18%,後者は80±17%であり,両者に有意差は認められなかった(N=5).従って視聴覚刺激による統合の効果は見られるが,それと比べて情動刺激が識別精度に与える影響は小さいと考える.なお,本年度は年中,コロナウイルス感染症拡大防止を意識する必要があったため,当初予定していた患者実験は断念した.
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Journal of Robotics and Mechatronics
巻: 32 ページ: 731~737
10.20965/jrm.2020.p0731