研究課題
若手研究
近年,集中的に音楽を聞かせる病側耳集中音響療法を併用することが、難聴の回復に効果的との知見が報告されており,「聴覚リハビリテーション」への期待が高まっている.本研究では,聞き取りやすく歪みの少ない音を呈示することができる集音器を用いて,軽度難聴患者へ,毎日1時間の音楽聴取介入が聴覚関連脳磁界へ及ぼす効果を検証した.結果,介入前と比較して,一次聴覚野での脳磁場応答が増大する傾向が認められ,高音質の音を継続的に聞かせる「聴覚リハビリテーション」が,聴覚機能の改善に有用である可能性が示された.
リハビリテーション
難聴の支援機器の一つとして,話者側から聞き手側への聞き取りやすく歪みの少ない音を提供するスピーカーが開発され,それらを使用することにより,語音弁別に対しての有用性が報告されている.本研究では,同様の機構を持つ集音器を用いて,聴覚リハビリテーションに対する有用性を検討した.結果,毎日1時間,1か月間の音楽聴取をすることにより,聴覚関連脳磁界が増大する傾向が認められた.聴覚リハビリテーションは,難聴者の機能回復において,今後ますます重要となると思われる.