研究実績の概要 |
本研究は,運動イメージの評価方法の確立に向け,運動イメージ課題に対して,どの程度鮮明にできたかを主観的に評価する鮮明度評価としてのVisual Analogue Scale(VAS)と,対象者の運動イメージ能力を評価するMovement Imagery Questionnaire-Revised(MIQ-R)が客観的な神経生理学的指標である経頭蓋磁気刺激(TMS)による運動誘発電位(MEP)振幅を指標とした皮質脊髄路の興奮性評価との間にどのような関連性があるかを検証した.その結果,鮮明度評価であるVASと皮質脊髄路の興奮性とのみ有意な正の相関関係が認められ(ρ= 0.465, p < 0.001),この結果をまとめたものが令和2年度frontiers in human neuroscienceに掲載された. 当初の計画では,運動イメージ中の鮮明度評価(VAS),対象者の運動イメージ能力評価(MIQ-R),運動イメージ中の皮質脊髄路の興奮性評価の結果をもとに,実際の運動イメージトレーニングにおいて,パフォーマンスの変化にどのような影響を与えるか多面的に検証する予定であった.しかしながら,新型コロナウイルス感染症の感染拡大予防による行動制限等に伴い,対象者の確保が困難であった.そのため,実験開始に向けた研究環境整備の構築を目的にLabVIEWシステムを用いて課題動画の提示と経頭蓋磁気刺激の同期をとるシステム,パフォーマンス指標のデータ解析用のシステム構築に従事した.
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