本研究課題は,「扁平足の足部内に生じている協調運動と力学的負荷の解明」である.前年度は被験者のリクルートに男女が混合してよいかを検討するため,足部内に生じている協調運動の性差を検証した.結果として,女性は男性と比較してランニング中に後足部と中足部のanti-phase(逆位相の動き)が増加していた.それゆえ,正常足・扁平足を対象とする際,男性と女性が混在しないほうがよいことが考えられた.そのため,男性の正常足と扁平足を対象に,ランニング中の足部内の協調運動を検証した.協調運動の検証の前段階として,足部内の動きに違いがあるかどうかを検証し,扁平足はランニング中に正常足より足部内の動きが過剰になっていることを明らかにした.現在,既に実験は終えており,正常足と扁平足の足部内の協調運動を解析している. 足部内の力学的負荷の研究に関して,研究機器の扱いや解析方法も既に熟知し,まずは正常足を対象にして足部内の力学的負荷の性差を検証し,現在解析中である.解析終了後に,既に被験者のリクルートは行っているため,扁平足を対象に実施していく予定である. 研究実績として,第24回日本基礎理学療法学会学術大会,第44回日本足の外科学会学術集会,第2回足の構造と機能研究会,第30回日本臨床スポーツ医学会学術集会で筆頭演者として発表を行い,さらにThe Kneeに論文が受理された.現在Gait&PostureとJournal of Biomechanicsに論文を投稿している.
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