DLB (dementia with Lewy bodies) とAD (Alzheimer's disease) を対象として日常風景の視線探索時の視線データを評価して,疾患によって視線探索のパターンに違いがあるのかを明らかにする.DLB24 名,AD12 名を目標にリクルートを行い,インフォームド・コンセントが得られた被験者から実験を実施している. その際に被験者の情報として,年齢,性別,教育歴の情報を収集した.実験手順としては,被験者情報を収集した後,近見視力表を用いて近見視力を計測した.また両群の疾患の重症度や視知覚機能を評価するため神経心理学的検査を実施した.疾患の重症度はMMSEを用いて評価を行った.視知覚機能の評価については,VOSPや標準高次視知覚検査 (VPTA) の一部評価項目を実施した. 両群の幻視の有無,およびそのほかの精神症状を確認するため全例にNeurophychiatric Inventory (NPI)に妄想の項目を「被害妄想」と「誤認妄想」とに分け,「認知の変動」の項目を追加した12 項目のNPIを実施した.また幻視の代用マーカーとなるパレイドリアテストの風景テストとノイズテストも実施した. 現在,新たな機器等を用い,視線探索のデータ取得を行った.これらの情報を基に,実際の視線探索のデータと,背景データおよび精神症状のデータとの関連性を検討できるか確認した.ただ,元々取得していたデータと新たに購入した機器ではバージョンが異なるため,データの整合性を取ることが難しいとみられ,ひとまず元々取得しているデータに関して結果をまとめている.こちらがまとまり次第,新たな機器のデータもどのように活用するか検討する.またまとまった内容については,後ほど発表予定である.
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