研究課題
若手研究
本研究は,一次体性感覚野および後頭頂皮質に対する経頭蓋電気刺激が触覚機能にもたらす効果を検証することを目的とした.結果,左一次体性感覚野に対する経頭蓋交流電気刺激は,刺激前の脳律動パワーに応じて触覚機能を変調すること,右後頭頂皮質に対する陽極経頭蓋パルス電気刺激は刺激前の触覚機能に応じて,右手指の触覚機能を変調させることが明らかになった.このことは,対象者がもつ脳律動パワーや触覚機能に応じて,刺激方法や刺激部位を選択することで触覚機能を向上させることができる可能性を示唆している.
理学療法学
本研究では触覚情報を処理する皮質領域の神経活動を非侵襲的に変調させることで触覚機能が変化することが明らかになった.触覚機能障がいはこれまで治療の選択肢が非常に限られていたが,経頭蓋電気刺激を用いることで触覚機能を向上させることができる可能性がある.今後さらなる検討を進めることで,触覚機能障がいに対する新たなリハビリテーション手法へと発展する可能性があると考えている.