研究課題/領域番号 |
18K17698
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研究機関 | 藍野大学 |
研究代表者 |
山科 吉弘 藍野大学, 医療保健学部, 准教授 (80585456)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 呼吸筋力 / 水中歩行 / 高齢者 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、高齢者の呼吸筋力を増強する水中運動プログラムの作成およびその効果判定をすることである。そのため2020年度は長期間の水中歩行によって呼吸筋力を高めることができるかどうかを検討するために、12週間の水中歩行プログラムを実施する予定であった。しかし、COVID19の影響により4週間で実験を中断しなければならない状況となった。 (4週間報告)被験者は、喫煙歴のない高齢者15名とし、ランダムに水中歩行群(8名)・陸上歩行群(7名)に分けた。全被験者に対して安静時の吸気筋力 (吸気時最大口腔内圧:PImax)および呼気筋力(呼気時最大口腔内圧:PEmax)を口腔内圧計にて陸上座位で測定し、ベースライン値(以下BL値)とした。次に、陸上歩行群は平地歩行を、水中歩行群は第4肋間の水深となるようにプールに入水し歩行した。運動強度は両群ともに予測最大心拍数の60%になるように歩行速度を調節し、20分間の歩行を週に4回かつ4週間実施(12週間の予定であった)した。 結果としては、両群においてPImaxはBL値と比較し4週間後は有意に上昇を認めたが(p<0.05)、両群間で有意な差を認めなかった。PEmaxは水中歩行群においてのみBL値と比べて3週間後に有意に上昇し、またその値は陸上歩行群と比較し有意に高値であった(p<0.05)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2020年度の目的は長期間の水中歩行が呼吸筋力に与える影響を調べることであったが、COVID19の影響により、大阪府は緊急事態宣言が発令されたため、12週間の研究予定を4週間で中断しなければならなくなった。緊急事態宣言の解除後も被験者が集まりにくい結果となった。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度の目的は、長期間の水中歩行によって呼吸筋力を高めることができるかどうかを検討するために、12週間の水中歩行プログラムを実施する予定である。 大阪府の緊急事態宣言が解除されたのちに、今までの条件をもとに、水中歩行群は第4肋間以上の水位で、予測最大心拍数の60%負荷において20分間の水中歩行を週に4回実施し、それを12週間実施する。また、陸上歩行群は予測最大心拍数の60%負荷において20分間の陸上歩行を週に4回実施し、それを12週間実施する。そして、水中歩行の結果と陸上歩行の結果を比較する。 ただし、日々の体調管理を徹底し、無理させることなく安全に水中歩行できるように、日々の問診および歩行時の脈拍は可視化できる状態で研究を実施する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID19の影響により、研究が中断してしまったこと、ならびに学会も中止あるいはwebへ切り替わったため、旅費交通費を使用する必要がなかった。 物品費に関しては、使用していた体組成計が壊れてしまい研究に必要なため購入した。
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