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2022 年度 実績報告書

高齢者における呼吸筋力増強のための水中運動強度の検討およびプログラムの作成

研究課題

研究課題/領域番号 18K17698
研究機関藍野大学

研究代表者

山科 吉弘  藍野大学, 医療保健学部, 教授 (80585456)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2023-03-31
キーワード呼吸筋力 / 水中歩行 / 高齢者
研究実績の概要

12週間の水中歩行が高齢者の呼吸機能ならびに体幹機能に与える影響について、陸上歩行との比較を追加で研究を実施した。対象者は高齢男性19名とし、ランダムに水中群(9名:年齢69.3±3.9歳)と陸上群(10名:年齢67.1±2.4歳)にわけた。各歩行プログラム開始前に全被験者に対して呼吸機能として肺活量、呼吸筋力(最大吸気口腔内圧:PImax、最大呼気口腔内圧:PEmax)をスパイロメーターおよび口腔内圧計にて計測した。そして体幹機能としてクラウスウエバーテスト変法にて腹筋瞬発力および腹筋持久力を評価した。これら開始前の値をベースライン値(以下BL値)とした。次に、陸上歩行群は平地歩行を、水中歩行群は第4肋間の水深以上となるようにプールに入水し歩行した。運動強度は両群ともに予測最大心拍数(脈拍)の60%になるように歩行速度を調節し、20分間歩行を週に4回かつ12週間実施した。
(結果)
肺活量は両群において歩行前後で変化を認めなかった。両群のPImaxはBL値と比較し3ヶ月後は有意な上昇を認めたが、群間で有意差はなかった。PEmaxは水中歩行群ではBL値と比較し2ヶ月以降に、陸上歩行群では3ヶ月後に有意な上昇を認め、またその値は陸上歩行群と比較し水中歩行群で有意に高値であった。腹筋瞬発力および持久力は水中歩行群ではBL値と比較し2ヶ月以降に、陸上歩行群では3ヶ月後に有意に上昇し、またその値は陸上歩行群と比較し水中歩行群で有意に高値であった。
(考察)
水中歩行では胸郭に水圧がかかっていると思われるが、本研究の運動強度では吸気筋力を陸上よりも上昇させ得るほどの負荷ではない可能性が考えられた。また呼気筋力および体幹機能に関しては、水中歩行群は陸上歩行群よりも有意に上昇した。これは、水中歩行では、水圧に抗しながら前進するため、呼気筋である腹筋群を働かせ体幹を固定していたためと考えられる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] 12週間の水中歩行が高齢者の呼吸機能および体幹機能に与える影響 ;陸上歩行との比較2022

    • 著者名/発表者名
      山科 吉弘,青山 宏樹,熊部 翔,平山 朋子,森田恵美子,阪上 奈巳,何川渉, 田平 一行
    • 学会等名
      第7回日本予防理学療法学会サテライト集会
  • [学会発表] 水中歩行が高齢者の呼吸および体幹機能に与える影響2022

    • 著者名/発表者名
      山科 吉弘
    • 学会等名
      第87回日本温泉気候物理医学会
  • [学会発表] 水中歩行プログラムによる高齢者の呼吸筋力増強効果とその持続効果について2022

    • 著者名/発表者名
      山科 吉弘,田平 一行
    • 学会等名
      第8回日本呼吸理学療法学術大会

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公開日: 2023-12-25  

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