我々は高齢者の呼吸筋力を増強させる水中歩行の運動強度を明らかにし、またその持続効果も検討した。 水深は少なくとも第4肋間レベルよりは深い水深が必要であり、陸上歩行と比較して呼吸筋力を向上するには6週間程度の期間が必要であった。また運動強度は予測最大心拍数の60%になるように歩行速度を調節し、20分間歩行を週に4回実施する必要性があることが明らかとなった。しかし、6週間の水中歩行をやめると、プログラム終了後4~6週間にて呼吸筋力は低下することが示唆された。我々の研究から水中歩行により呼吸筋力を改善することは可能であるが、肺活量などは変化を示さないことが明らかとなった。
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