研究実績の概要 |
本研究の目的は、歩行に介助を要する急性期脳卒中例を対象に、サイボーグ型ロボットHAL(HAL)を用いた歩行運動治療を行い、表面筋電図から得られるパラメータ、特にpiper band activityによる、リハビリテーションによる回復過程での変化、機能転帰の違いを明らかにし、効果的な急性期脳卒中リハビリテーション法の確立を目指すことである。平成30年、8月より患者登録を開始し、10月に表面筋電図を除く、他のアウトカムの中間解析を実施、その成果を共同研究者である山本幸夫理学療法士とともに第44回日本脳卒中学会学術集会にて報告した。その内容とは、脳卒中発症1週間以内に「歩行に介助を要する」(Functional Ambulation Categories;FAC 1-2)ために訓練室での歩行訓練を開始した下肢機能障害例を対象とし、HAL歩行運動治療群(HAL20分+理学療法20分)、通常理学療法群(理学療法40分)に振り分け、合計10セッション実施した。アウトカムは身体機能: NIHSS, Fugl-Meyer Assessment (FMA), Functional Ambulation Categories(FAC), 10m 歩行(歩数、時間)日常生活動作: modified Rankin Scale (mRS), Functional Independence Measure (FIM)、、認知機能:Mini-Mental State Examination test(MMSE)とし、両群間の比較検討をを行った。その結果、認知機能が良く、下肢機能障害が重度な例(FMA下肢計<20)が、HALの好適応症例であることが示唆された。これらの結果より、一部プロトコールの修正を行った。
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