研究課題/領域番号 |
18K17710
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
佐藤 江奈 群馬大学, 大学院保健学研究科, 助教 (30811179)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 変形性股関節症 / WISH型股関節装具 / ハンドヘルドダイナモメーター / 筋力 |
研究実績の概要 |
今回、装具療法における筋力への影響と装具療法の有効性、有効期間について明らかにすることを目的とした。使用する装具は、WISH型S字股関節装具(WISH型股装具)で、立脚時に大腿骨大転子部を外から内側に圧迫して支持し、除痛と不良肢位の矯正、支持性の改善を意図した和歌山医大の装具を基に作成したものである。対象は、変形性股関節症(変股症)により、群馬大学医学部附属病院 整形外科を外来受診した患者とした。変股症の診断はアメリカリウマチ学会の診断基準により行った。変股症のレントゲン像上の重症度は、Croweの分類により評価した。股関節機能の客観的機能評価としてHarris Hip score(HHS)を用いて評価した。HHSは、介入前に比べて、全例において改善が得られた。また、股関節・膝関節の筋力として股関節屈曲、外転、内転、膝関節伸展筋力をハンドへルドダイナモメーター(HHD)を使用して測定した。測定は、健側と患側、WISH型股装具装着時と 非装着時について、装具装着時点(0か月)より計測を開始し、WISH型股装具装着後1か月、3か月、6か月と定期的に行った。0か月の時点では、股関節屈曲、外転、膝関節伸展筋力は、患側の筋力が健側に比べて有意に低下していることが確認できた。 今後、WISH型股装具の装着が筋力に与える影響として、装具装着による装着側や非装着側への影響、長期的な装具装着による健側と患側の筋力における関連性や経過におけるそれぞれの筋力の変化などについて解析を進め、論文投稿を行ってゆく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
変形性股関節症者の股関節機能の客観的機能評価としてHHSを用いて評価した。また、股関節屈曲、外転、内転、膝関節伸展筋力を健側と患側、装具装着時と非装着時についてHHDを使用して、装具装着時点(0か月)より定期的(1.3.6か月後)に計測した。 計測データをまとめ、筋力の経時的変化について統計学的解析を行っている。
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今後の研究の推進方策 |
変形性股関節症患者に対するWISH型股装具装着による筋力への影響と装具療法の有効性、有効期間について明らかにすることを目的に解析を進める。 筋力の影響を明らかにし、今後、WISH型股装具が変形性股関節症者の動作に与える影響などについて三次元動作解析から検討してゆく。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由は、予定した必要物品が低価格で購入できたことと、装具の適応から対象者数が少なかったためデータ解析に人件費を要さなかったことがあげられる。研究の遂行は、予定通りであったため、統計学的解析を進め、論文投稿を行っていくことを予定する。英文校正や論文投稿費などを使用予定とする。さらに、研究成果について学会発表も予定していく。 基本動作や歩行への装具療法の影響についても検討していくことが必要であると考えているため、研究を継続して進めていくことを予定し、研究に要する費用の使用を予定する。
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