研究課題/領域番号 |
18K17713
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
間所 祥子 金沢大学, 保健学系, 助教 (60595445)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 糖尿病ラット / 廃用性筋萎縮 / 筋張力 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は糖尿病ラットと健常ラットにおいて廃用性筋萎縮モデルを作成し、その後、運動負荷を加え、糖尿病がその回復過程での毛細血管を含む筋組織変化および筋張力に与える影響の違いを明らかにすることである。糖尿病ラットについては、日本人の糖尿病患者の95%に相当する2型糖尿病のモデル動物である、Goto-Kakizaki rat(以下GKラット)を用いること、運動負荷として、臨床応用可能な荷重、トレッドミルについて頻度も含め検討することが本研究の独自性である。また、筋については、筋湿重量および、筋断面積、筋線維タイプに加え機能的評価として筋張力を測定する。 昨年度は実験1として、糖尿病ラットに尾部懸垂法を用い、廃用性筋萎縮モデルを作成後、再荷重を行いその回復過程について、筋組織を摘出し、組織学的解析として、筋湿重量、筋横断面積について検討した。本年度はさらに、機能的評価として、筋張力測定を実施した。まずは、GKラットの廃用性筋萎縮モデルにおいて、正常ラットと同様の、筋張力発揮、低下がみられるかを検討するため、正常ラットとGKラットを対象とし、2週間の尾部懸垂法を実施した。尾部懸垂法はMoreyらの方法を用い、2週間後、右後肢よりヒラメ筋、長趾伸筋を摘出、95%酸素、5%二酸化炭素の混合ガスを通気したクレブス液中で筋張力を測定した。ヒラメ筋においては、正常ラット同様、GKラットにおいても懸垂による著明な筋張力低下が認められた。一方、長趾伸筋においては、筋断面積あたりの強縮ピーク値において、正常ラットでは見られなかった筋張力低下がGKラットではみられ、GKラットに特有のタイプⅡ線維の脆弱化が示唆された。また、左後肢から摘出した組織については、筋線維タイプ別の分析を実施していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
GKラットの入荷が不安定であること。 筋張力測定に研究者が不慣れであること。 筋線維タイプの分別するための、組織染色方法についてATPase法を当初は予定していたが、結果が不安定であり、染色方法を免疫染色に変更した。抗体濃度などの条件設定に時間を要していることなどが原因としてあげられる。
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今後の研究の推進方策 |
すでに、尾部懸垂法を実施し、左後肢から摘出し保存してあるヒラメ筋、長趾伸筋、足底筋について筋線維タイプの免疫染色を実施していく。抗体の種類変更を検討しており、条件が決定次第、筋線維タイプ別の組織分析をすすめていく。また、GKラットが入荷次第、尾部懸垂後、再荷重モデルを作成し、これについても、筋張力測定、組織学的分析をすすめる。
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次年度使用額が生じた理由 |
GKラットの入荷が不安定であり、消耗品の購入が少なかったため、未使用額が生じた。次年度使用額と令和2年度に請求した助成金と合わせた使用計画については、ラット購入に使用する予定である。
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