研究実績の概要 |
昨年度から継続して、復職支援を目的としたリワークデイケアでの効果や経過の中での特徴について様々な観点から検討を行い、男女での違いについて検討した。 最終年度である2021年度までに、データ収集機関のリワークデイケアでは男性125名、女性21名が新規利用を開始し、うち男性65名、女性15名が研究の取り込み基準を満たした。 今年度はそれらのデータを以下の3つの観点から解析を実施し、リワークデイケア全体での特徴、男女差について検討し、関連学会、雑誌に投稿した。 まず、利用開始時の障害特性と抑うつとの関連をミックスデザインを用いて解析し、利用開始時の抑うつ状態、障害像が多様であることを明らかにした。この点は男女差が乏しかった(Asian Journal occupational therapy, under review, WFOT congress 2022にて発表予定)。さらに、診療記録であるテキストデータを感情辞書を用いて解析し、休職期間との関係のある語とその傾向について解明した(British journal of occupational therapy, under review、WFOT Congress 2022 発表予定)。また利用中の対象者の表情変化や視線の一致度、会話量などの観察指標の有用性について検討し、構造的場面における視線の一致度が有用であることを示唆した。この点も男女差は認められていない(Occupational therapy in mental health, under review, 第55回日本作業療法学会発表)。 また昨年度より実施してきた企業におけるストレスチェックを用いた男女差についての検証に関する論文が国際誌に掲載された(WORK: A Journal of Prevention, Assessment & Rehabilitation)。
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