感情を伴う嗅覚刺激が顔面皮膚血流量および局所脳活動に及ぼす影響を調べるため、頬の皮膚血流量および前頭前野ヘモグロビン動態を計測した。不快臭刺激時に前頭前野Oxy-Hb濃度と顔面皮膚血流量は増加をみとめ、両指標は相関した。主観的快・不快度は前頭前野Oxy-Hb増加量と相関したため、不快感情は顔面皮膚血流量増加に関連することが示唆された。次に、感情が認知機能に及ぼす影響を調べるため、嗅覚刺激提示後における認知ストループ課題の所要時間および誤答数を対照と比較した。不快臭提示後に課題所要時間は増加し、快・不快度は課題所要時間と負の相関がみられたため、不快感情により認知機能は低下することが示唆された。
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