研究課題/領域番号 |
18K17724
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研究機関 | 茨城県立医療大学 |
研究代表者 |
宮田 一弘 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 助教 (70811545)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 脳卒中 / バランス / 構造的妥当性 / 尺度特性 |
研究実績の概要 |
【研究の目的】 理学療法の臨床現場でバランス能力が低下している症例に対して評価、介入を実施することは多いが、疾患の病態を反映し、各疾患の評価に特化したバランス評価指標は存在していない。既存のバランス評価指標の中でMini-Balance Evaluation Systems Test(Mini-BESTest)が他の評価指標と比較して適応疾患、測定時間、尺度特性、評価可能なバランス構成要素などの点から総合的に判断し、推奨される評価指標であるとされている。本研究の目的は、Mini-BESTestを用いて脳卒中者のバランス構成要素の構造と課題特性を明らかにし、新たなバランス評価指標を開発することである。 【今年度の計画】 昨年度、作成したデータベースを用いて一部のデータ解析を行うことを計画していた。 【研究の進捗と成果】 ①脳卒中者のバランス能力と歩行速度の関係について分析した。結果、Mini-BESTestは歩行速度と強く関連し、さらに、歩行速度の回復とも有意に関連していることが明らかになった。②脳卒中者におけるMini-BESTestの反応性について分析した。結果、他のバランス評価指標より反応性の高い評価指標であることが明らかになった。③脳卒中者のバランス構成要素を検証する前段階として、骨折の既往を有する高齢者における分析を実施した。Mini-BESTestのモデルとして1因子モデルと4因子モデルの両者を確証的因子分析を用いて検証し、結果として4因子モデルが適合が良好であることが明らかになった。また、各因子においてRasch分析を実施し、一次元性を有することと課題の困難度が明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2019年度に予定していたデータ解析は実施することができた。そこで得られた成果の一部を論文として公表することができている。また、他の知見も論文にまとめ投稿中である。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は今年度に得られた結果を元に確証的および探索的因子分析を用いて脳卒中者のバランス構成要素の構造を明らかにしていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
論文掲載料が生じなかったため。
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