• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2019 年度 実施状況報告書

半側空間無視マウスモデルの確立と回復能の週齢差に着目した回復促進因子の同定

研究課題

研究課題/領域番号 18K17725
研究機関茨城県立医療大学

研究代表者

石井 大典  茨城県立医療大学, 保健医療学部, 助教 (30803291)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード半側空間無視 / 注意機能 / 高次機能障害 / リハビリテーション / 脳梗塞
研究実績の概要

半側空間無視(USN)は,脳卒中後などに生じる高次脳機能障害の一つであり,損傷した大脳半球の反対側への注意や反応が低下する.本症状を呈する患者は,脳の損傷部位が様々で運動麻痺をはじめとした他の症状を併せ持つことが多いため,半側空間無視の回復機序や訓練効果の評価が難しく,効果的な訓練が確立されていない.また,高齢者ほど症状が残存しやすいことも知られている.そこで本研究は,条件の統制が可能な半側空間無視モデルマウスを作製し,年齢による回復能力の違いに着目して,回復促進に効果的な新規ターゲット分子を探索する.また,新規に発見されたターゲット分子の回復促進効果を検証し,リハビリテーションと薬物療法の併用という新たな治療戦略の提案を目的としている.
今年度は,directional action neglect(半側空間無視のサブタイプの1つ)のマウスモデルの作成を試みた.具体的には,前頭皮質の局所梗塞を呈したマウス(9週齢)は,内的基準による意思決定における同側バイアスを示した.本バイアスの回復には,対側半球または同側遠位領域での機能代償の必要性が示唆された.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

実験環境のセットアップに時間を要したが,実験手技の習得や標的部位の同定はスムースに遂行できた.その結果,directional action neglectを呈するマウスモデルを確立できた.

今後の研究の推進方策

半側空間無視の回復における週齢差と原因タンパク質を同定する.そのため,以下の実験を行う.
1.無視症状の週齢差の同定:若いマウスと老齢マウスのそれぞれの群を,USN群と非USN群に分け,手術の翌日から毎日USNの評価試験を行う.
2.回復促進能を有する新規ターゲット分子の同定:2週間経過後、梗塞領域の対側の大脳皮質組織からmRNAを抽出し,網羅的な発現量解析により,USNの回復に寄与した分子の特定を行う.

次年度使用額が生じた理由

解析プログラムおよび実験機器の一部を自作することにより,システム構築に必要な物品費を抑えることができ,次年度使用額が生じた.次年度は,動物実験に関する費用,論文発表費用および学会発表費用を計上した.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Role of the right frontal orienting field in visuospatial attention2020

    • 著者名/発表者名
      Daisuke Ishii, Hironobu Osaki, Arito Yozu, Kiyoshige Ishibashi, Kenta Kawamura, Mariko Miyata, Yutaka Kohno
    • 学会等名
      第97回 日本生理学会大会

URL: 

公開日: 2021-01-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi