研究課題/領域番号 |
18K17758
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研究機関 | 国際医療福祉大学 |
研究代表者 |
石坂 正大 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 准教授 (60734621)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | サルコペニア / 嚥下 / 栄養 / 高齢者 |
研究実績の概要 |
健常者の計測は約200名、一般高齢者は約150名、呼吸器疾患患者が約50名、要介護高齢者約200名の計測が可能であった。しかし、対象者によってはすべての計測が行えているわけではなく、計測項目のばらつきがある。最低限の計測項目では、サルコペニアの有病率は算出できるため、その項目を中心に解析を行っている。 大田原市の取り組みの一つでもある一般高齢者の計測は2019年9月から2020年3月までに約150名の計測が可能であった。計測用の評価用紙はいったん作成し、2020年度も約200名の計測を予定している。 研究実績としては、学会発表および和文投稿が多く、今後英文校正や英文投稿を進めていく。研究協力者と共同研究により、大部分のデータ解析、発表を分担することができている。 本研究の目的を達成するために、6つの段階的な研究課題を設定しており、1)筋量測定の臨床応用に向けたTANITAとInBodyの妥当性の検討、2)健常者における①筋量・筋力を反映する②嚥下・栄養③呼吸・口腔機能の関係の計測が200名終了している。現在論文投稿の準備中である。3)高齢者における①筋量・筋力を反映する②嚥下・栄養③呼吸・口腔機能の関係、4)健常者と高齢者の比較による①筋量②嚥下・栄養③呼吸・口腔機能の加齢変化の高齢者の計測も200名程度終了しており、データ解析し順次論文を作成している。5)高齢者と呼吸器疾患患者の比較による疾患特性の解明は対象者数が増加していない。6)臨床応用に向けた簡易検査のカットオフ値の算出と開発に関しては、まだ計測および解析が進んでおらず、あと2年のうちに作成する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
現在までの進捗状況は、当初の計画以上に進展している。関連する研究発表や論文はかなり多くの実績を残すことができている。しかし、2020年の新型コロナウィルスの影響で、今後計測に影響が出てくる可能性が高く、最終的には当初の予定より計測者数が減少してしまう可能性がある。下記に主に変更した点を記載する。 ①嚥下機能評価として、舌圧の計測を予定していたが、2019年1月の予備実験の際に、前歯の詰め物がとれてしまった対象者が発生した。トラブルにはなっていないが、それ以降、大田原市の地域在住高齢者を計測する際には、代替手段を行っている。代替案は、色変わりガムを使用しているため、当初の計画と変更となっている。 ②大田原市をフィールドとして約150名の一般高齢者の計測を実施したが、時間と計測者の人数が不足しており呼吸機能検査の実施が不十分である。 ③コロナウィルスの影響で、2020年3月の大田原市の2箇所(約30名)計測が中止となった。2020年4月以降も影響が出る可能性があり、一般高齢者の研究フィールドで計測ができない可能性がある。さらに、呼吸機能検査が関連施設の病院では計測が行われておらず、本研究の実施期間中には再開が困難である可能性がある。
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今後の研究の推進方策 |
前項と対応して、今後の推進方策を記載する。 ①舌圧の計測は色変わりガムを用いて、嚥下機能を評価する。または、厚生労働省の基本チェックリストを聴取しているため、嚥下の質問項目を追加で使用することを検討する。 ②一般高齢者における呼吸機能検査が時間的に行えていない。対象者は少なくなってしまうが、別途計測を行う準備をする。 ③コロナウィルスの影響により、研究フィールドの縮小、呼吸機能検査の計測に制限がかかる可能性がある。その際には、現在実施している計測項目で解析を進めていく。なお、一般高齢者および要介護高齢者においては、フレイルの調査も行ったため、呼吸機能検査が進まない場合は、厚生労働省の基本チェックリストであるフレイルの下位項目(嚥下機能項目)を解析に混ぜていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
学会発表および論文投稿、英文校正費が増えてきている。なお、備品および消耗品は予定通りに進めることができている。
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