研究課題/領域番号 |
18K17762
|
研究機関 | 目白大学 |
研究代表者 |
金野 達也 目白大学, 保健医療学部, 専任講師 (00758477)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | 把握力調整能力 / 手指機能 / 脳血管障害者 |
研究実績の概要 |
2019年度の実績は以下の3点であった。
①脳血管障害者に測定を開始する前に、高齢者と若年者でどの程度把握力調整能力が異なるかについての基礎データを収集し、加齢に伴う把握力調整能力の影響を検討した。その結果、性別・利き手・握力を統制した状態でも、若年者よりも高齢者の方が、把握力調整能力が有意に低いことが明らかとなった。そして、この結果をまとめたものを英語論文として、Asian Journal of Occupational Therapyに投稿し、掲載することができた。本研究課題を実施する前に、必要な予備実験が多くあったが、2019年度で、予備実験を終えることができ、本研究課題の実験に取り掛かることができるようになった。また、その予備実験の成果によって、脳血管障害者の把握力調整能力に関しての考察をより深めることができるようになった。 ②倫理委員会で承認を受けていた研究期間が過ぎてしまったため、倫理委員会に再審査をすることになった。それに合わせて、再度研究チームで話し合い、研究計画を見直すことができ、より効果的で独創的な研究になるように計画を修正した。そして、研究期間の延長や研究計画を修正した内容で、倫理委員会の承認を得ることができた。 ③研究に協力してくれる施設のスタッフ向けに、本研究課題について説明をして、研究で使用する評価法などの研修を行い、具体的にデータ収集の準備を進めることができた。スムーズにデータ収集が行うことができるように、対象者の取り込み基準や除外基準についても説明を実施し、研究に協力してくれる施設との連携を深めることができた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
①倫理委員会で承認を受けていた研究期間が過ぎてしまったため、再審査をして承認されるまで、数カ月の期間を要したこと ②倫理委員会の承認後、研究に協力してくれる施設への説明を終え、データ収集しようとしたタイミングで、COVID-19の影響でデータ収集ができなくなったこと ③昨年度、博士課程の最終審査があり、本研究課題を予定通りに進めることができなかったこと 以上の①~③の理由から、研究の進行が遅れているものの、予備実験を終え、英語論文の掲載にもつなげることができたため、進捗状況を「やや遅れている」と判断した。
|
今後の研究の推進方策 |
2020年度は、以下の2点を実施する予定である。 ①倫理委員会の承認を得ているため、研究に協力していただける施設と連携を取りながら、脳血管障害者を対象として、把握力調整能力に関するデータ収集をする。 ②脳血管障害の把握力調整能力に対しての介入プログラムを立案し、効果的なプログラムの検証を行う。
|
次年度使用額が生じた理由 |
2019年度に予定していた研究費の執行を行った結果、予算内に収めることができた。発生した余剰金に関しては、次年度の学会発表のための旅費・論文掲載費・英文校正費などに使用したいと計画している。
|