研究課題/領域番号 |
18K17764
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研究機関 | 帝京平成大学 |
研究代表者 |
日置 麻也 帝京平成大学, 健康医療スポーツ学部, 准教授 (60769058)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 筋電気刺激トレーニング / 骨格筋異所性脂肪 / サルコペニア肥満 / 加齢 / 筋萎縮 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、加齢に伴い蓄積された筋細胞外異所性脂肪に対する“継続的な筋電気刺激トレーニング”の効果を検証することである。本研究は、この目的を達成するために①高齢者の筋肉量と筋細胞外異所性脂肪量の実態調査を行う。さらに、②12週間の筋電気刺激トレーニングの介入効果の検証、骨格筋量や筋細胞外異所性脂肪量と血液成分濃度との関連性を検討することである。 本研究は、2018年度~2020年度の期間、市原市の公民館や地域コミュニティーセンターにて定期的に研究概要説明会を開き対象者を公募した。本年度までに、予定通りの応募者数が得られており、順調に進んでいる。初年度~本年度 (2020) までに実験が終了した対象者に継続中の対象者を含めると20名が本研究に参加している。 本研究では、高齢男女の大腿四頭筋に30分間の電気刺激を与えるトレーニングを12週間 (3回/週、合計36回) 実施した。筋電気刺激トレーニング開始前、開始6週後、12週後、さらにトレーニング終了から12週後に外側広筋と大腿直筋の異所性脂肪量を測定した。異所性脂肪量は超音波によるエコー強度によって推定し、これを異所性脂肪量とした。 本年度は、実験の継続、実験が終了した対象者のデータ分析を行った。超音波による異所性脂肪量の測定は、筋電気刺激トレーニング開始前、開始6週後、12週後、さらにトレーニング終了12週、合計4回で、再現性を確認するため測定は各2回実施した。超音波による異所性脂肪量の変動係数は、4回全て外側広筋5%以内、大腿直筋6.5%以内であり、十分な精度でデータが得られていることを確認した (対象者数16名)。また、対象者16名のみのデータだが、筋電気刺激トレーニング開始前とトレーニング後 (12週後) の異所性脂肪量に変化は観察されなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
市原市の公民館や地域コミュニティーセンタースタッフ、クリニック、対象者との連携体制がスムーズとなり、公募、インフォームドコンセント、実験が、本年度も順調に進められた。本年度は対象者8名の実験が終了し、現在、実験進行中の対象者3名も順調に進んでいる。また、データ整理、分析は同時並行して実施し、来年度に向けた研究成果報告の準備を開始している。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、一時期、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため地域の公的施設が全て閉鎖されたため、6、7月に開催予定であった研究概要説明会を延期した。本年度までに実験は全て終了することが当初の目標であったが、宣言の解除後に実験を再開したため、来年度も引き続き実験を行う予定である。最終年度となる来年度は、実験やデータ分析だけでなく、研究報告も並行して進めていく予定で、市民公開講座、学会発表などの準備を行い、社会へ情報発信していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度も、実験が順調に進んだため、実験に係る使用額が増加した。そのため前倒し請求申請を行った。本年度に増額した内容の内訳は、対象者人数分の採血費用、検体検査費用、電気刺激時に用いる電極費用、謝金である。本年度に前倒請求を申請し、受理された。 来年度は、実験が継続中の対象者3名を進めていき、データ整理・分析を行うため、来年度に支給される残額分で十分研究遂行は可能であり、大きな問題はないと考えている。
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