研究課題/領域番号 |
18K17766
|
研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
谷 真美 順天堂大学, 医学部, 助手 (90817199)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | 経頭蓋磁気刺激 / 脳卒中 / 片麻痺 / 上肢運動機能 / rTMS / MEP / iTBS |
研究実績の概要 |
反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)を用いて脳卒中上肢機能障害を改善させる試みが広がりつつあるがrTMSの効果は一定ではなく、脳卒中患者におけるrTMSの応用に際しては、効果の安定した刺激パラメータを用いる必要がある。Intermittent theta burst stimulation (iTBS)は短時間で強力に皮質運動野の興奮性を増強する刺激法の一つである。また使用依存性可塑性の観点から考えると、随意運動に合わせてrTMSによる神経修飾を加えた方が、より選択的な神経回路の修飾が可能であり、その効果の増強効果が期待できる。本研究では、実際の「つまむ」動作施行中の随意筋活動をトリガーとしてiTBSを行うEMG-triggered iTBSの脳卒中患者の上肢機能障害に対する効果を明らかとするために、電気生理学的検査ならびに手指巧緻性パフォーマンスを検討している。 木片を「つまむ」動作施行時の手内筋の筋活動をトリガーとしてiTBSを行うEMG-triggerdITBS, 2)安静時に行う通常のiTBS,3) 木片を「つまむ」動作施行時の手内筋の筋活動をトリガーとしてsham刺激を行う、という3つの課題をランダムに行い、その前後におおける運動野磁気刺激(TMS)による手内筋運動誘発電位(MEP)を評価し、皮質運動野の興奮性の変化を検討した。 現在5症例での随意収縮時反復経頭蓋磁気刺激(EMG-triggered rTMS)を施行し、すべての症例においてMEPの増加を認めている。 今後はさらに症例数を集めて検証することにより、EMG-triggered iTBSが脳卒中片麻痺の上肢機能回復に有用であることの世界で初めての立証、臨床でのリハビリテーションへのrTMSの応用の拡大という成果を得ることができる。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
5症例での随意収縮時反復経頭蓋磁気刺激(EMG-triggered rTMS)を施行し、すべての症例においてMEPの増加を認めている。
|
今後の研究の推進方策 |
当大学の連携施設であるリハビリテーション病院に協力を依頼し、症例数の確保を勧めていく。
|
次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していた磁気刺激装置のダブルコーンコイルの購入(100万円以上)を本年度では購入しなかったが、今後必要になる可能性があるため。
|