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2018 年度 実施状況報告書

ケトン体誘導食が持久性運動能力に及ぼす効果とその作用メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 18K17767
研究機関聖マリアンナ医科大学

研究代表者

掛橋 千彰  聖マリアンナ医科大学, 医学部, 研究技術員 (80535683)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード超高脂肪食 / ケトン体誘導食 / 骨格筋
研究実績の概要

運動効果を高める手段の開発は、運動時間がとれないという現代人にとって重要である。日々の食事内容を工夫することで運動効果を向上できれば、健康増進に貢献できると考えられる。申請者は、これまでに超高脂肪食でありながら肥満を誘発しない「ケトン食」の摂取が、ラット骨格筋の代謝特性を遅筋型へシフトさせること発見した。そして、この知見と持久性運動で得られる効果との類似性から、ケトン食摂取が骨格筋で疑似的な運動効果を持つ可能性を考えた。しかし、ケトン食は作用機序が不明なことに加え、嗜好的に継続が困難な食事療法であるなどのデメリットも併せ持つ。その解決を目指して、本研究では、身体運動能力の維持・向上におけるケトン食の有用性と利用方法、そして分子メカニズムを生理学的に解明する。
当該年度においては、これまでラットで実施していた一連の研究を、マウスへ移行することを目的として、マウスにおけるケトン食の効果について検討を実施した。マウスに対して、ケトン食を8週間継続的に摂取させ、体重、骨格筋量、血中ケトンおよび血糖値について評価した。また、新規に導入した筋力計を用いて、筋力(四肢グリップ筋力)と筋持久力(金網ぶら下がりテスト)を評価した。その結果、ケトン食の摂取は、血糖値に影響しなかったが、有意な血中ケトンを上昇させた。体重の変化については、ラットと異なり、ケトン食摂取による体重減少効果はわずかであった。ケトン食は四肢筋力に影響しなかったが、筋持久力を低下させる傾向にあった。一方で、下肢の筋重量についてはケトン食による有意な影響は見られなかった。
以上のことから、ラットとマウスではケトン食に対する応答がやや異なることが明らかとなった。これらを踏まえ、次年度では、分析対象となる骨格筋やケトン食の摂取期間等の調整を行い、ケトン食の効果が顕著になるポイントを探る必要があると考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

マウスでケトン食の検討を行い、ケトン食がマウスでも血中ケトンの上昇をもたらすことを確認でき、一方で、体重などではラットとは異なる応答を示すことを発見できた。また、ケトン食摂取による長期的な体重変化および筋力のデータは、今後の研究計画にとって、有益である。

今後の研究の推進方策

未だ分析に至っていないケトン食が骨格筋の代謝特性に及ぼす影響を評価する。マウスにおいて、体重や筋重量が低下していないにもかかわらず、四肢筋持久力がやや低下気味であった機序を探る。併せて、運動とケトン食の相乗効果について検討する。

次年度使用額が生じた理由

当該年度の3月に納品予定だった製品の入荷(輸入品)の納期が遅れ、次年度にずれ込んだだめ、執行することが出来なかった。次年度開始後に使用する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Ketogenic diet induces slow-type shift of skeletal muscle in male rat2018

    • 著者名/発表者名
      Ogura Y, Kurosaka M, Kakehashi C, Kakigi R, Akema T, Funabashi T
    • 学会等名
      FAOPS2019
    • 国際学会

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公開日: 2019-12-27  

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