研究課題
若手研究
本研究は,2年計画で同時収縮中の脊髄相反性抑制の影響を明らかにすることであった.2つの実験を行い,同時収縮強度と拮抗筋同士の筋活動比に依存して脊髄相反性抑制が変調することを明らかにした.これまでの報告では,同時収縮に伴い脊髄相反性抑制は消失することが言われていたが,同時収縮強度によって脊髄相反性抑制が残存していることから,適度な同時収縮中は関節運動を遂行する機能が残存していることが明らかとなった.これらの研究成果は,国際誌2編,国内誌1編に掲載され,学会発表を10回実施した.
神経生理学
本研究の知見は,同時収縮中の脊髄にある運動制御の機能を相反性抑制に着目して解明した.本研究は,これまで明らかにされていなかった,低強度の同時収縮中は脊髄相反性抑制の機能が残存することを発見しました.また,その機能葉、拮抗筋同士の筋活動比に依存することも新規性が高い知見となった.この基礎的知見を応用して,同時収縮中の運動パフォーマンスの検討,中枢疾患や高齢者で引き起こされる過剰な同時収縮の治療法として役立つ可能性があると考えている.