研究課題/領域番号 |
18K17777
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研究機関 | 甲南女子大学 |
研究代表者 |
壬生 彰 甲南女子大学, 看護リハビリテーション学部, 助教 (00803024)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 複合性局所疼痛症候群 / 鏡療法 / 鏡像肢知覚 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,複合性局所疼痛症候群(CRPS)患者に対して,鏡像肢知覚評価に基づいた段階的鏡療法を実施することで,従来の鏡療法に比べて優れた治療成績が得られるかを検討することである。 令和元年度は,包括的鏡像肢知覚質問票Mirrored-limb Perception Questionnaire: MLPQ)の妥当性を検証するため,昨年度実施した予備実験の結果を元に実験プロトコルを再度検討した。健康成人を対象に追加実験を行い,MLPQを構成する6課題中の皮膚電気活動(Electro Dermal Activity: EDA)を正確に測定するための実験プロトコルを確定した。その後,CRPS患者を対象にデータ取得を開始した。MLPQを構成する6課題実施中の痛みや不快感を評価するとともに,EDAを測定した。3名のCRPS患者から取得したデータを解析した結果,昨年度実施した予備実験にて取得した健康成人の結果と比較し,CRPS患者では課題によって痛みや不快感の反応が異なること,また,課題時のskin conductance level (SCL)に差があることがわかった。よって,SCLを用いることでMLPQの妥当性を検証できる可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当初の予定では,令和元年度中にCRPS患者ならびに健康成人を対象として目標症例数のデータ取得を終える予定であったが,最終的な実験プロトコルの検討に時間を要したこと,また新型コロナウイルス感染拡大に伴い,予定していたデータ収集および被験者の登録が行えなかったため,予定通りの進捗となっていない。
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今後の研究の推進方策 |
現状,EDA計測システムを含め,MLPQの妥当性研究を実施する上での実験プロトコルは完成している。よって令和2年度は,新型コロナウイルス感染拡大が収束し,実験可能となり次第データ取得を再開し,目標症例数のデータ取得と解析を行い,学会および論文にて結果を公表する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していた被験者数のデータ取得が行えず,消耗品(ディスポーザブル電極)の使用量が少なかったため,次年度使用額が生じた。これについては,次年度のデータ収集に必要な消耗品の購入に使用する予定である。
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