2020年度は燃焼タバコと燃焼タバコ(B)+高圧酸素(BO2)、加熱タバコ(E)と加熱タバコ+高圧酸素(EO2)についての比較設定を行ったが、当該年度においては介入(有酸素運動)を各1群増加して動物実験を実施した。実験期間は6週間とし、4週間の各たばこ煙溶液投与、2週間は各たばこ煙溶液投与と、次の介入を追加し(高圧酸素、または高圧酸素+有酸素運動)比較検討を行った。実験期間終了時の体重において、コントロール群(CON)436±9、B:426±16、BO2:428±28、BOEx:408±16、E:421±19、EO2:424±15、EOEx:409±12(g)と燃焼、加熱タバコともに運動群において体重が減少していたが、有意差は認められなかった。呼吸流量測定から求めたI:E比(吸気呼気比)は(通常吸気より呼気時間が長いため1.5~2.0)、CON:1.53±0.06、B:1.11±0.14、BO2:1.31±0.08、BOEx:1.37±0.11、E:1.25±0.12、EO2:1.32±0.06、EOEx:1.38±0.12となり、コントロール群の値が大きく、燃焼たばこ群が最も小さく次に加熱たばこ群となり、高圧酸素または高圧酸素と運動の介入により、数値は改善された傾向にあるが有意差は認められなかった。ヒラメ筋と長趾伸筋の重量(解剖時体重で補正)、各横断面積においては有意差が認められなかった。しかし、分析するサンプル数を今後さらに増やしてデータを精査していく予定である。また他の項目において分析はまだ継続しており今後はヒラメ筋、長趾伸筋に加えて横隔膜の筋組織について横断面積測定に加えて、遅筋、速筋、中間繊維の筋繊維タイプ分けを行う。また肺組織のマクロファージ計測、血中、肺胞液中の炎症性タンパク等を分析する予定である。
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