本研究では、まず歩行時の身体の適応性と認知機能との関係を調べた。その結果、認知機能評価の一つである心的回転(mental rotation: MR)課題において身体部位を回転変換させる能力と、未経験の歩行環境への適応能力との間には関連があることが示された。次に、歩行の適応学習時とMR課題時に共通して活動する後部頭頂葉(posterior parietal cortex: PPC)に着目し、歩行の適応学習過程におけるPPCの機能的な役割を調べた。その結果、PPCが歩行中の下肢の力のコントロールのばらつきを減らす役割を果たしていることが明らかとなった。
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