研究課題/領域番号 |
18K17799
|
研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
永見 智行 北里大学, 一般教育部, 講師 (10634371)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | 投球 / イップス / 手指 / 筋活動 / 局所性ジストニア |
研究実績の概要 |
投てき物や打具を適切な力加減で操作しようとする競技種目には、「無意識的な筋活動の乱れ」によって、今までできていた比較的簡単なプレーができなくなるイップス(Yips)と呼ばれる運動障害が存在する。ボール投げ動作におけるイップス(投球イップス)は、目標とはかけ離れた方向へ投球してしまうもので、動作に習熟したはずのプロ選手でも発症し、完治できずに競技生活を断念する例も度々報道されるが、どのような「筋活動の乱れ」が起こっているかは本人にも分からない。そこで本研究の目的は「ボールリリースの繊細なタイミング制御とその乱れに関与する手指筋群の筋活動動態を明らかにすること」とした。 2018年度は、予備実験および実験1(投球動作に習熟した選手のボールリリース制御に関与する手指筋群活動動態の解明)として被験者15名を動員することを予定していたが、実験環境の整備に予定よりも時間を要したため、被験者6名の実施に留まった。得られた動作および筋電図データとボールリリースのタイミング、投射方向との関連については、現在分析中である。また予定人数での実験実施に向けて実験実施を調整中である。また実験2(投球イップス発症者に特有な手指筋群活動動態及びその分類)について、2018年度では1名のみの実施となったが、予定通り2019年度および2020年度前半に測定を完了できるよう、調整を進めている。 本研究によって、正確なボールコントロール技術の獲得に向けたトレーニング法策定、経頭蓋直流電気・磁気刺激療法を含めた投球イップスの改善法策定など、競技パフォーマンスの向上に繋がる重要な知見を得られるものと考えている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
実験環境の整備がやや遅れたため、実験1で当初予定していた被験者数を達成することができなかった。
|
今後の研究の推進方策 |
18年度中に完了する予定であった実験1の実施を、19年度前半の実施に繰り下げて行う。投球イップス発症者を被験者とする実験2についても並行して行い、19年度前半には実験1および2の一部を、その後20年度前半には実験2を完了できるものと見込んでいる。
|
次年度使用額が生じた理由 |
被験者への謝金支払いが生じなかったため。19年度の謝金として使用する予定である。
|