研究課題/領域番号 |
18K17805
|
研究機関 | 新潟医療福祉大学 |
研究代表者 |
伊藤 渉 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 助教 (80780212)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | ACL損傷 / 切り返し / 外傷予防 / スクリーニングテスト / 動作解析 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,切り返しによるACL損傷の危険性の高い選手を正確に予測できるスクリーニングテストを開発し,スポーツ活動中のACL損傷予防の実現への一助とすることである.スポーツ活動中のACL損傷は,相手をかわす「切り返し」によって受傷することが多い.ACL損傷を予防するには,選手の動きから受傷の危険性を正確に予測できるスクリーニングテストが不可欠である.スクリーニングテストの開発には,動作中の関節ストレスの解明から評価法の整合性と有用性の検証までの一貫した研究が必要である. 切り返しによるACL損傷の危険性の高い選手を正確に予測できるスクリーニングテストを開発するため,切り返しのビデオ動作解析を用いた評価法の整合性について検討している.簡便かつ汎用性の高いビデオ動作解析を用いた評価法(新たなスクリーニングテスト)により,切り返しによって受傷するACL損傷の危険性の予測が可能となる. 考案した切り返し中の関節ストレスに関連する膝関節と体幹の運動について,3次元動作解析とビデオ動作解析の運動学的データの整合性を検証するにあたり,ビデオ動作解析の計測方法および解析方法について検討を重ねた.ビデオ動作解析上,過去の報告で用いられてきた着地動作と切り返し動作では異なる特徴を示すことが明らかとなった.切り返し動作をスクリーニングテストの動作課題とする意義が示される結果となった.3次元動作解析については解析方法について検討し,解析プログラムを完成させた.一定の母集団に対して3次元動作解析とビデオ動作解析の計測をおこない,解析を開始している.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
被験者についてラグビー選手を予定しているが,被験者数の確保に苦慮している.また,ビデオ動作解析の解析作業についても当初予測よりも作業時間を要するため遅れの原因となっている.現在,ラグビーと同様に切り返しでのACL損傷が多い女子サッカーも対象として一定の母集団に対して計測を開始することができている.
|
今後の研究の推進方策 |
現時点で測定できている3次元動作解析およびビデオ動作解析の解析作業を進めるとともに,予定していたラグビー選手の被験者の確保を実現させ,今年度中に計測を実施したい.現在,測定が済んでいる対象については,研究2の切り返しによるACL損傷のスクリーニングテストとしての有用性の検証に進めていく予定としている.
|
次年度使用額が生じた理由 |
ほぼ予定通りに使用できているが,次年度に購入予定のビデオ解析ソフトに十分な予算をとるため,超過のないよう使用したため予定に対する残額が生じた.
|